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個別記事の管理2011-02-17 (Thu)

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太宰治全集〈3〉 (ちくま文庫)太宰治全集〈3〉 (ちくま文庫)
(1988/10)
太宰 治

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 恥ずかしながら、太宰治の作品を読んだのは今回が初めてです。
 学生の頃、教科書に載っていたかどうかも、もはや忘却の彼方。そんな自分が、何故太宰? というのは、以前読んだ「“文学少女”と死にたがりの道化」で太宰治が取りあげられていまして、ヒロイン遠子の「太宰は『人間失格』だけじゃないのよ!」というセリフにいたく心を動かされ、ならばと思い興味を持って挑戦してみました!
 しかし、まさか全作制覇などできるはずもなく、全集の中でも自分的に気になる巻数からセレクトしてみました。作品が多数あるので2回くらいに分けてUPしてみたいと思います。

畜犬談
 激しい犬嫌いであるはずの「私」の、逆説的な犬への愛情を語った1篇。序盤のあまりにも激しい犬嫌悪の描写がものすごくユーモラス。年月を経て徐々に飼い犬へ愛情を抱いてゆく「私」の、素直ではないけれど滲みでるような優しさがとても良い。
おしゃれ童子
 今で言うファッションに熱を上げる「少年」の滑稽さを冷めた文体で。揶揄をこめながらもユーモラスに描いていて爆笑!「少年」の詳細なちくはぐコーディネート描写に笑えます。
皮膚と心
 バツイチ男子と婚期逃し女子(でも28歳なんだよ~!それでおばあちゃん呼ばわりとは!)とのほのぼの夫婦譚。夫になかなか信頼をおけなかった新妻の心の葛藤と前妻への嫉妬。その精神的なストレスが元で全身に出来た吹き出物をめぐって、夫婦が真に理解してゆくという結末にほんわか! 
兄たち
 おそらく作者の実体験を基にしていると思われる1作。
 3人の兄達の、なかでも3番目の兄にまつわる短篇。独自の美学を持っていながらも周囲に打ち解けず、孤高の薄命美青年だった彼への思慕を物悲しい余韻で描写。
駆込み訴え
 斬新な手法で描く、裏切り者・イスカリオテのユダ。彼の一人称で展開される、イエス・キリストへの惜しみない愛情と、激しい嫉妬。その複雑に交差する心理描写が素晴らしい! 新約聖書に詳しい人なら序盤でわかるけれど、なんといっても最後のオチが巧すぎる!
誰も知らぬ
 41歳の「安井夫人」の回想録。女学校の友人の恋愛に触発された少女時代の彼女の秘められた恋心とほんのちょっとした冒険。オトメゴコロの微妙な揺れを絶妙に描いた1作。
走れメロス
 元ネタとして、「古伝説とシルレルの詩」が挙げられています。言わずと知れた有名作。小学校の教科書以来でした……が、オリジナルを読んで不覚にも思わず涙。
 「メロスは激怒した」の1文からして既に惹きこまれます。こんなに劇的な感動作だったのかと目からウロコでした。ハナシとしては単純なんですが、リズムの良い文体、簡潔なストーリー、ラストに向かっての盛り上げ方、確固たるテーマ等々、完璧な短篇かと。
パンドラの匣
 全集第8巻の収録作なんですが、感動作です!! 
 喀血して「健康道場」で療養することとなった通称「ひばり」の淡い恋愛と精神の変遷を書簡形式で。
 「道場」での看護師的存在の助手と患者達の触れ合いや小競り合いなどを活き活きと描写。「ひばり」と同室となった個性豊かな仲間たちのキャラ造形が秀逸!!
 有能な美人助手・竹さんと「ひばり」、そして今で言うちょっと小悪魔系の助手・マア坊。この3人の失恋の2重構造がとても巧い。
 厭世的で理屈っぽかった「ひばり」が、「道場」でのさまざまな人間と関わり失恋を経験してゆく中で、生きる希望を見出してゆく姿が感動的。越後獅子こと花宵先生の「献身」をテーマにした講話で締めくくるラストも泣けます!

 ちくま文庫の全集・第3巻(昭和14年~15年の作品収録)を中心に読みましたが、とてもとても自殺願望の強かった作家の作品とは思えませんでした。これっぽっちの片鱗もうかがえません!!
 適度なユーモア・優しさ・生への希望に満ちた作品。あるいは、西洋文学や聖書からヒントを得た作品等々、とてもバラエティに富んでいてまったく飽きなかった!
 この先作者の作風・テーマがどのように変化してゆくのかとても楽しみです。続きは次回で。←続くかなあ?


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 太宰治
* Comment : (4) * Trackback : (0) |

文学 * by こはる
文学が実は苦手なのです。
理由はアドレナリンが出ないから(笑)

しかし、フシギですね~
苦手な文学もこうやって解説していただくと
読みたくなってきます。

学生の時、ライ麦畑を読んで、
どんどん気分が滅入ってきて、
何度も再チャレンジするも、挫折。

昔の日本文学に同じものを感じてしまうのは
私だけでしょうか。。

図書館で予約して読んでみます。
(買って読み切る勇気なし)


Re:こはる様☆ * by 惺
こんばんは☆
自分もいわゆる文豪が書いた「文学」はどっちかというと苦手。
いいトシして初めて読みましたもん!
まあ、何ごとも経験で、とりあえず読んでみようかな~的なノリです。
ハズレもありますが、逆に意外とアタリもあったりして。
なかなか面白かったです。太宰クン。
コメントありがとですi-178

太宰祭りですね! * by チルネコ
文学少女を読んだら読みたくなっちゃいますよね~太宰^^
僕の中では漱石とか太宰は今でこそ文豪なのは間違いないですが、普通に大衆作家としても認知できる読み易さもあるのでそこも好きなのかも(笑)
この収録作の中では既読が駆け込み~とメロスだけです^^。でも駆け込み~は今まで読んだ太宰作品の中でも指折りのお気に入りです。最初ユダの一人称が誰の描写かわからなくて少なからず驚いた記憶があります。

Re: チルネコ様☆ * by 惺
こんばんは♪
> 文学少女を読んだら読みたくなっちゃいますよね~太宰^^
ハマりましたね~。単純ですね、自分。

> 僕の中では漱石とか太宰は今でこそ文豪なのは間違いないですが、普通に大衆作家としても認知できる読み易さもあるのでそこも好きなのかも(笑)
> この収録作の中では既読が駆け込み~とメロスだけです^^。でも駆け込み~は今まで読んだ太宰作品の中でも指折りのお気に入りです。最初ユダの一人称が誰の描写かわからなくて少なからず驚いた記憶があります。
そうそう、ものすごく読みやすかったのにビックリ!
特に「駆け込み~」は斬新~!
こんなハナシも書くんだ!! と目からウロコの作品でした。
その他にも面白い作品たくさんあって、借りた全集充分堪能しました~☆

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