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個別記事の管理2011-03-26 (Sat)

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夏と花火と私の死体 (集英社文庫)夏と花火と私の死体 (集英社文庫)
(2000/05/19)
乙一

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 予想外の面白さ! デビュー作なんですね~。ものすごくおどろおどろしいモノを想像していましたが、まったく違いました。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無防備な殺人者によって、あっけなく──。
こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。
次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか? 死体をどこへ隠せばいいのか?


 冒頭から引きこまれてしまいました。なんたって語り手が斬新。9歳の五月という少女が、友人の弥生というこれまた同い年の少女に早々に殺されてしまって死体となる。この展開もかなり悲惨なんですが、さらに、その死体となった五月が一人称でその後を語ってゆく──という展開が巧すぎる!! 語り手が死体なのに、まったく違和感なく読ませるその手腕にまず驚き。
 あらすじにもあるとおり、このハナシは殺人犯を捜すことではなく、焦点となるのは殺人後。幼い犯人達が死体をどう処理するのか? 誰に発見されることなく、巧く死体隠蔽できるのか? というのが一番の読ませどころ。

 なんといっても犯人が11歳と9歳の兄と妹。体力的にも体格的にも死体を移動させるのは困難。何度も何度も大人に発見されそうになる…という危機を乗り越えて、完全な隠し場所へと死体を運ぼうとする2人。
 もうね~、スリリングです。思いっきり心臓に悪いです。大人にバレそうでバレない。毎回毎回、すんでのトコロで危機を回避するんだけどね。
 シチュエーション的にはものすごく異常。かなり怖かったのが、兄(11歳)の健。妹が殺してしまった五月の死体を見ても「笑みを浮かべたまま」とかね。動揺とか恐怖とかをまったく感じていないその心理がかなり異常というか…うすら寒いモノを感じてしまいました。

 そんな恐ろし気な小説の背景には、まったく真逆の夏祭りを持ってきているトコロもなかなか。花火大会で盛り上がる、なんとなく昔懐かしい村の描写なんかは素晴らしい!
 蚊帳・木登り・たんぼ……などなど、ノスタルジー彷彿させるアイテムをバンバン登場させながら、その裏で行われる死体隠蔽工作。このアンバランスな構図もオツですね。

 並行して発生する謎の連続誘拐事件を伏線にした意外なラストにも驚かされました! 他にも細かく張り巡らせた伏線の数々が見事結末で収斂されていく構成もお見事。
 これを作者は当時16・7才で書いたというのだから、ううむ、今さらながら巧いゾ! と感心。同じような作家で日日日(あきら)もいるけれど、ハナシの巧さ・面白さではやはり自分的には乙一かなあ?
 読みやすい短篇。グロさはあまり無いです。むしろ、懐かしい昭和のかほり漂うのどかな田舎の描写に唸ったし。
 乙一氏、ホラーもいいけれど、児童向け童話も書かれているそうなので、ぜひともそっちも読んでみたいなあ。


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ばんわー^^ * by チルネコ
これがデビュー作ってだけで才能を感じさせますよね!何が素晴らしいかってこの語り手の「神の視点」が秀逸でした。しかも郷愁を感じる田舎の風景が、読み手の心象風景をくすぐってきて最高です^^

Re: チルネコ様☆ * by 惺
こんばんは~!
巧さにビックリな1冊でした。
しかも面白いし。まさかまさかのラストにもやられたし。

>何が素晴らしいかってこの語り手の「神の視点」が秀逸でした。
ホントです~。破綻してなくてわかりやすい。
「神の視点」とは良い表現! まさにそんなカンジですね~☆

コメント







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