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個別記事の管理2011-03-28 (Mon)

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ゴールド・フィッシュ (角川文庫)ゴールド・フィッシュ (角川文庫)
(2009/06/25)
森 絵都

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 以前読んだ「リズム」の続編。「ゴールド・フィッシュ(金魚)」っていうタイトルに最初は?と思ったけれど、読了してその意味がわかりました! 以下文庫裏表紙よりあらすじ。

中学3年になったさゆきは、高校受験をひかえ揺れていた。
大好きないとこの真ちゃんは、音楽で成功するという夢のために東京へ出て行った。幼なじみのテツは、めっきり大人びて、自分の進む道を見つけている。
それに引き換え、さゆきは未だにやりたいことが見つからない。そんなある日、真ちゃんのバンドが解散したという話を聞き…。

 今作のテーマは「夢」なのかなと。さゆきと真ちゃんとテツ、それぞれが抱くそれぞれの未来と夢。
 バンドを組んで音楽をやるという、3人の中でいち早く夢を見つけた真ちゃん。その夢の実現のために東京へと旅立った、大好きな真ちゃんの夢の実現がさゆきの唯一の夢……だったはずなのに、まさかのバンド解散で夢破れる真ちゃん。現実の厳しさを嫌というほど味わう彼に、さゆきの心中も穏やかではない。自分のココロのリズムを見失って揺れるさゆき。

 そんな不安定なさゆきとは裏腹に、テツはしっかりと自分の夢を見つけてそれに向かって着実に歩み始めている。そんなテツを見て焦燥感を抱くさゆきの心情描写がとてもいいな、と。受験と大好きな真ちゃんを想うココロと自分の夢を見出せないさゆきの不安定な気持ちが痛いくらいに伝わってくるし。思春期真っ只中の少女特有の気持ちを巧く切り取って描写している作者サンはさすがの巧さ!

 大人の立場からの代弁者として真ちゃんの父親が登場するのだけれど、その彼が発する言葉もまた真実。定職を持たず、ひたすら夢を追い続ける息子を案ずる父親の心情も痛いくらいよくわかる。息子のことばかり心配して自分のことが疎かになっているさゆきに対して発した優しくも厳しい言葉 ──さゆきちゃんはさゆきちゃん夢を、自力で作っていくんだ。
 自分に向けられたこの言葉をきっかけにさゆきの裡で何かが変わってゆく。それは今まで漠然としていた自分の夢、自分の将来、自分の未来についてやっと具体的なヴィジョンを抱くきっかけとなった、さゆきにとってとても大切な言葉。

 タイトルであるゴールド・フィッシュというのは、結局さゆき自身のことなんだなあと。立派な名前はついていないけれど、一番自分にふさわしいと、さゆき自身が自覚している。そんな等身大の今の自分を大切にしながら、できることを楽しみながらやっていく。それが最終的にさゆきが見つけた小さな、それでも大切な夢。
 それに気付かせてくれた真ちゃんやテツ、そして真ちゃんの父親──周囲の様々な人との関わり合いによって、ゆっくりとした自分のリズムを刻んで成長してゆくさゆきの姿がとても清々しい。

 短篇だけど、難しい年頃の少女の葛藤を描写する作者サンの巧さに毎度唸ります。ラストをさゆき宛ての真ちゃんの手紙で締めくくるあたりも、う~ん、やるなあ、と思ってしまいました!


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* Comment : (2) * Trackback : (0) |

こんにちは! * by 道楽猫
リズムに続編があったのですか!
ていうか、この本はタイトルは知っていたのですが
リズムの続編とはつゆ知らず。
早速探してみますね。
ご紹介ありがとうございます。

Re: 道楽猫様☆ * by 惺
> リズムに続編があったのですか!
そうなんですよ~!!
自分も図書館行って何も知らずにこの本借りたら、
偶然にも続編だったという…。
最初タイトル見た時に「ゴールドラッシュ」と読み間違えてて、
金を探しに行くハナシなのかと思ってたバカモノですi-229

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