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個別記事の管理2010-03-08 (Mon)

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マラケシュ心中 (講談社文庫)マラケシュ心中 (講談社文庫)
(2005/05/13)
中山 可穂

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 今作はどんな世界を魅せてくれるのかと過大な期待を持ちすぎていたせいでしょうか、単刀直入に言ってイマイチでした。読了した直後に、あの漫画家の巨匠竹宮恵子女史の「風と木の詩」連想してしまいました。
 同性同士のカップルであるセルジュ&ジルベール=絢彦&泉。陰の悪人ジルベールの実父オーギュスト=小川薫風(泉のダンナ様)というように。 愛するカップルが逃避行するなど作品全体の構図も何とな~く似てたりして……そう、この作品ほのかに少女マンガの香り漂わせる箇所が幾つもありました。

 もうヒロインである、歌人緒川絢彦(寺西絢子)からしてスゴイです。女にはモテモテ、血の気が多く、怒ると平気で男の胸倉掴んでケンカも厭わない。アイドル歌手の作詞もこなしてそれが大ヒット。億ション購入、もちろん歌人としての才能も豊か。かな~り創りすぎの感が否めない。すなわち感情移入が出来ない。
 対する絢彦の運命の相手である泉の、おとなしい人妻であったはずの彼女が絢彦との出逢いによる、いきなりの豹変ぶり……かなり極端だなと。アイドル歌手広瀬マオちゃんもあんまりな雑魚キャラ扱い。何のために登場したんだか。

 ……とキャラクターもあまり魅力的とはいえないですが、重要な内容の方もえっ? ッてところが。
 もうお決まりのパターンです。中性的なヒロインと美人妻が一瞬にして恋に落ち海外に逃避行。紆余曲折あって2人の関係が泉のダンナ薫風に知れる件、泉と薫風が結局のところつながっているのではないかと疑心暗鬼になって、あらぬ嫉妬に燃える絢彦。嫉妬に狂った彼女がまったくの思い込み(自分にはそうとしか解釈出来なかった)で、泉をマラケシュの雑踏に置き去りにしてゆくなど……絢彦クン、キミちゃんと泉の気持ちを確認したの? 自分勝手な誤解じゃないの? とツッコミ入れたくなりました。

 タイトルからしててっきり自分は絢彦と泉の心中モノかと思っていたら、まったく違ってたし。作品中における心中の比重は1割くらいでしょうか。「看板に偽りあり」という言葉が脳内を駆け巡りました。
 ラスト絢彦と泉の再会場面。きっと感動モノなんでしょうが、その前にまず大疑問。
 泉サン、マラケシュで絢彦に置き去りにされたこと何とも思ってないの? 普通の神経からして怒ってしかるべきでしょう、あれは。それとも彼女の深い愛でまるごと絢彦を受け入れ、底知れぬ慈悲深さで絢彦の罪を包みこんでいるのでしょうか? とりあえず再会を喜んでその後ネチネチと恨みごとを吐くのでしょうか? 読解力の無い自分にはここら辺りが理解不能でした。

 中山可穂作品愛読家ですが、今回はツッコミどころ満載でした。それでも食い入るように読んでしまう、独特の世界に引きずり込んでしまう作者の力量にはいつも感嘆するばかりです。 

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