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個別記事の管理2011-05-26 (Thu)

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この女この女
(2011/05/11)
森 絵都

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 好きな作家のひとり森絵都の新作とあって即買い! 期待値大で読了。以下BOOKデータベースよりあらすじ。

甲坂礼司、釜ヶ崎で働く青年。二谷結子を主人公に小説を書いてくれと頼まれる。
二谷結子、二谷啓太の妻。神戸・三宮のホテルに一人で住み、つかみ所がない女。
二谷啓太、チープ・ルネッサンスを標榜するホテルチェーンのオーナー。小説の依頼主。
大輔、甲坂礼司に小説書きのバイト話を持ってきた大学生。礼司に神戸の住まいを提供。
松ちゃん、釜ヶ崎の名物男。礼司が頼りにし、なにかと相談するおっちゃん。
敦、二谷結子の弟。興信所経営。結子のためなら何でもする直情型の気のいい男。震災前夜、神戸と大阪を舞台に繰り広げられる冒険恋愛小説。

 ああ~、もう森絵都作品のそれまでの印象をガラッと変える作品でした。ビックリです。それだけでも読む価値はあるかと思いますが、作品的に良いか、感動するか、といったら自分的にはちょっと疑問かも。

 舞台は大坂・釜ケ谷地区。いわゆる日雇い労働者達が多く住む場所(あいりん地区)。そこに生活する礼司を主人公にしているところからして、もう異色。
 その彼がとある若きホテルチェーンの社長から、妻の半生を小説にしてほしいというバイトの依頼を受けたことから、数奇な運命と冒険に巻き込まれてゆく……というものですが。
 全編大坂弁で綴られていることにまず驚き。
 ホテルチェーン社長の妻・結子が今作のヒロイン。いわゆる奔放で蓮っ葉な女性設定。作者サンにしてみたらこのようなヒロイン像はかなり珍しいのですが、なかなか巧く描けているかも、といった印象。
 ただ、その彼女と礼司が何故心通わすようになったのか? そこの部分がちょっと説得力不足だったかも。

 「作中作」という凝った構成でなのですが、それもちょっとわかりづらい部分があったかなあ。気まぐれで、掴みどころがなくて、魅力的な結子に無意識の裡に惹かれていく礼司。その彼女をどうしても描ききりたくて執拗に小説の完成に固執する礼司の粘りと熱意。そして、依頼主である社長の釜ケ谷地区をめぐる土地買収計画。隠された礼司の秘密等々、なかなかに凝った仕掛けとエピソードを用意してはいるのですが、それがうまくかみ合っていたのか? というと、決してそうではないような。

 あらすじには「恋愛冒険小説」となっているけれど、果たして結子と礼司の間に明確な「恋愛」があったのかどうかもちょっと疑問。
 で、なにより驚いたのが、児童文学を手掛けている作者サンが、少女虐待シーンを描写していること。従来のイメージを破るという意味では成功しているのではないかなと思います。まったく違った魅力を見た思いがしましたし。

 時代設定が阪神大震災前ということで、当時の風俗や社会問題も登場します。が、それがストーリー上、有効に活かされていたかというと、う~ん、自分的にはイマイチかなと。
 ラストもすっきりとしたものではなく、良く言えば余韻が残るといったトコロでしょうか。冒頭を再読してああ、そうなんだ! と理解できるかな。

 内容としては個人的に物足りなさを感じましたが、作者サンの従来とはまったく異なった別な一面、力量を感じるには充分な1冊だったと思います。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 森絵都
* Comment : (4) * Trackback : (1) |

* by まいまい
出版されたばっかりなんですね。
森絵都さん、新境地開拓って感じでしょうか。

個人的には爽やかさや前向きさを失って欲しくないような気もしますが、
違う森絵都にも興味をひかれます。

Re: まいまい様☆ * by 惺
こんばんは!
> 出版されたばっかりなんですね。
> 森絵都さん、新境地開拓って感じでしょうか。
ホントですね。
「風に舞い上がる~」は同じ文芸作品でも正統派っていうカンジだったのだけど、
こちらはちょっとダークな一面が垣間見れるかな?といった印象でした。
その大胆な挑戦には拍手を送ります!!
ただ、作品的にはどうなんだろ?
賛否両論ってトコなのかしらー。
いろいろな引き出しがあってスゴいです。
やはり奥深い作家サンです。

こんにちは * by 道楽猫
これも気になりますねぇ。
全編大阪弁というのは、いい方に転ぶととても効果的なんですが、少しでも違和感があると、私としては全く受け付けなくなるのですよ^^;
興味あるけど、ちょっと怖い…て感じです。

Re: 道楽猫様☆ * by 惺
こんばんは!
ちょっと語弊があったかな。
会話部分のみ大阪弁なんです。
自分は関東住みなのでわからないんですが、
本場の大阪の人が読んだらやっぱり違和感抱くのかな。

今までの森絵都の印象がガラッと変わった作品でした。
新たな一面を見ることができて自分はより好きになりました!

コメント







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