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個別記事の管理2011-07-02 (Sat)

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伊豆の踊子・禽獣 (角川文庫)伊豆の踊子・禽獣 (角川文庫)
(1951/07)
川端 康成

商品詳細を見る

 今日本屋に行ってレトロなジャケットに一目ボレ。中学の時(!!)夏休みの読書感想文の宿題だったなーと思い出し、懐かしくて購入。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

20歳になる旧制高校生の私は、孤独な心を抱いて、1人、伊豆への旅へと出かける。
そこで、旅芸人の一行に出会い、14歳の薫という踊子の少女に心惹かれた。卵形の凛々しい顔立ち、しかしどこか幼さの残る薫。
その若々しく清らかな様子に、私の心はいつしか温かく解きほぐされていく……。


 昔子供の頃に読んだ印象と今大人になって読んだ印象がどう変化しているのかも楽しみなトコロでした。
 当時、中学生だった自分の感想はとにかくこの「私」と踊子の薫との淡く儚く、結ばれぬことのない初恋がとても切なかった。特にラストの乗船場。お互いこれきり会えないと予感しつつも、ひと言も別れの言葉を交わせない。そんな純情すぎる想いを抱えながら、陸地を離れてゆく汽船という劇的な別れのシチュエーション!
 そんな2人の初恋物語として読んでいたんですね。

 が、今回いいオトナになって再読して……やはり見方は一変!
 まず、この「私」が作者・川端康成自身を投影したキャラクターだということが新発見。幼いうちから両親・身内を亡くして天涯孤独の身となってしまった作者の生い立ちが、この作品に多大なる影響を与えているとのことで。
 その「私」と踊子はやはり年が近いせいかお互い意識しあっているのだけれど、それは恋心というにはあまりにも幼すぎているなあと。
 それよりもむしろ、常に孤独な身の上であった「私」が踊子の身内である旅芸人達と知りあい、触れあい、まるで一時家族のように過ごしたひとときに対するノスタルジーを強烈に感じました。
 当時、旅芸人は一種差別されていたようですが、「私」はそんなことは気にせず彼等との接点を自ら求めようとしている。それはやはり貧しいながらも家族で寄りそう温かさを、「私」はその旅芸人達に見出していたのではないかなと。

 人間本来が持つ何かに何処かに属したいという欲求。それはすなわち孤独を厭う素直な心の現れ。
 作者・川端康成の当時の精神状態、置かれていた状況等々から察して、これは半自伝的な私小説であるような印象持ちました。

 ラスト、別れの汽船内でたった独りとめどなく泣く「私」。
 もちろん淡い恋心を抱いた踊子との別れを悲しんでいたことも事実だろうけれど、実は自分を家族の一員のように接してくれた旅芸人達との別れを惜しんでいたのではないかなと、痛烈に感じました。再び孤独の世界に戻ってゆく自分に対する憐れみの涙だったともいえるかも。

 昔読了した時は伊豆という舞台がとっても印象に残っていたんですが、実はあまり詳細な描写が施されていないことにちょっとビックリ。伊豆・下田・天城峠などの地名は登場するけれど、その自然や土地の描写などが殆ど無くあっさりと流されていたんですね。意外でした。

青い海黒い海
驢馬に乗る妻
禽獣
慰霊歌
二十歳
むすめごころ
父母 … の他初期作品6篇収録ですが、やはり「伊豆の踊子」が秀逸ですね。 


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 川端康成
* Comment : (8) * Trackback : (0) |

こんばんは! * by まいまい
ああ、これを読むともう一度読みたい気がします。
確かに、同じ旅の時間を一緒に過ごした「旅芸人」一家への思いが濃く感じられますよね。

恋・・というより過ぎゆく旅の時間への「感傷」のような物を感じます。
惺さんがおっしゃる作者の「孤独」がこの切ない思いを更に深くしているんでしょうね。

いつもながら素敵なレビューをありがとうございました。

こんばんわ^^ * by チルネコ
川端康成いいですね~。文豪の中でも特に好きですね^^美しい風景が浮かび筆致も素晴らしいですが、密かなエロチズムも入ってるんですよね(笑)僕は『山の音』がすごく好きでした。

Re: まいまい様☆ * by 惺
こんばんは(●^o^●)
> ああ、これを読むともう一度読みたい気がします。
> 確かに、同じ旅の時間を一緒に過ごした「旅芸人」一家への思いが濃く感じられますよね。
川端康成氏がかなり複雑な家庭環境で、精神状態であったことを最近知って…。
そんな孤独な氏の前半生を鑑みて読むと
やはり淡い恋物語というより、自分の居場所(属性)のつかの間の希求と
別離のハナシなのかなーって今回読了しておもいましたね。

> 恋・・というより過ぎゆく旅の時間への「感傷」のような物を感じます。
> 作者の「孤独」がこの切ない思いを更に深くしているんでしょうね。
確かにソレです!! 共感☆
久しぶりに文豪の作品読むのも良いですね!

Re: チルネコ様☆ * by 惺
こんばんはヽ(^。^)ノ
> 川端康成いいですね~。文豪の中でも特に好きですね^^
そうですねー、あの硬質な雰囲気が自分的にツボですね!

>美しい風景が浮かび筆致も素晴らしいですが、密かなエロチズムも入ってるんですよね(笑)
そうなんだ! それは知りませんでした!
う~ん、是非ともその密かなエロチズム投入された作品を読んでみたい!!

>僕は『山の音』がすごく好きでした。
チェックさせていただきます☆

吉永小百合VS山口百恵 * by nao
ギョロ目もバタやんの小品でありますな・・青春の旅!
コレを読んで、どれだけのヒトが「天城越え」(「踊子」コース!)
したのだろうか・・(自分はしてませんが)。

ところで、この主人公さん、一高の学生さんでありますが。
この一高生というのは、フツーの学生さんでなく、
エリート中のエリート学生であったらしいですな。
当時の学生数も、現在の東大生の人数のそれと比較にならないくらいに少なかった・・と。
あるヒトのエッセイに、そんな風なコト書かれてありましたぜ。
・・だとすると、猶のこと、主人公と踊子さんとの関係が際立つ・・かナ?

Re: nao 様☆ * by 惺
こんばんは!
返コメ遅くなりましてスミマセン(>_<)
ものスゴク久しぶりに再読したんですけどね。
やっぱ印象は違ってきますね~。

> ところで、この主人公さん、一高の学生さんでありますが。
> この一高生というのは、フツーの学生さんでなく、
> エリート中のエリート学生であったらしいですな。
> 当時の学生数も、現在の東大生の人数のそれと比較にならないくらいに少なかった・・と。
> あるヒトのエッセイに、そんな風なコト書かれてありましたぜ。
> ・・だとすると、猶のこと、主人公と踊子さんとの関係が際立つ・・かナ?
へえ~、そうなんですか!!
ある意味身分違いな恋?
主人公「私」に作者がかなり投影されているとのことなので、
読んでいて何だか複雑な気持ちに。
オトナ視点で読むのもオツなものだなあとしみじみ思ってしまいました!

う~ん * by キヨハラ
読みが深~いです。惺さんの読み込みに感心いたしました。

伊豆の踊子、読んだこともないですし、この先も読まない可能性が高いですが、このレビューを覚えていれば、知ったかぶりも可能であるように思います。

ばかっぽいコメントでごめんなさい。

Re: キヨハラ様☆ * by 惺
こんばんはヽ(^。^)ノ
> 読みが深~いです。惺さんの読み込みに感心いたしました。
いやいやいや!
多少トシ食って見方が変わっただけでござんす。

> 伊豆の踊子、読んだこともないですし、この先も読まない可能性が高いですが、
自分も川端康成の作品コレ以外読んだことありません!!
しかも宿題だったからムリヤリ読んだという…(汗)。

> ばかっぽいコメントでごめんなさい。
なにを仰います~!!
コメント頂けて狂気…狂喜乱舞しております。
嬉しいです!! ありがとうございます☆

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