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赤朽葉家の伝説赤朽葉家の伝説
(2006/12/28)
桜庭 一樹

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 真紅の装丁が印象的。図書館で一目ボレして即借りることに。2段組み310ページ弱。読了するのにかなりかかるかな~と思っていましたが、なんの面白すぎて実質1日で読み終えてしまいました。日本推理作家協会賞他受賞作=ミステリー。タイトルからして横溝正史ばりのおどろおどろしい推理モノを連想しておりました。

第一部 最後の神話の時代  一九五三年~一九七五年  赤朽葉万葉
第二部 巨と虚の時代     一九七九年~一九九八年  赤朽葉毛毬
第三部 殺人者         二〇〇〇年~未来       赤朽葉瞳子 の3部構成。

 鳥取県のとある架空の村紅緑村の旧家、赤朽葉家を舞台にした女性3代の歴史とともに、終戦から高度経済成長、バブル崩壊から現在に至る日本の戦後史も巧みに取り入れて描いているところに瞠目。それぞれの時代の象徴たるアイテムや事象を登場人物にあてはめているので、その時代を捉えやすい。
 例えば第二部の主人公毛毬はヤンキー(暴走族社会問題化してた)、その兄泪は同性愛者(エイズ問題あったし)、妹鞄はアイドルに憧れ(フリフリのアイドルブームもあった)等々、赤朽葉家の伝説を読みとるよりも、その当時の社会を読みとる方が自分には楽しめた。肝心の推理部分がなかなか登場しなくても、とある不可思議な一族の一大叙事詩としても充分読み応えがあります。

 第一部でこの小説の根幹となるべき人物、千里眼を持つ万葉の人生を。第二部ではその娘、破天荒な毛毬とその兄弟達の行く末を。そして第三部でいよいよ時代は現在に移り、毛毬の娘であり万葉の孫娘でもある、とてつもなく平凡に生きている瞳子の生活を各々描いている。
 そしてここでようやく謎解きが。万葉が死の寸前にその孫娘に残した「わしはむかし、人を一人、殺したんよ」という言葉。それを受けて瞳子は万葉が殺したという相手を探し出す。無意識の裡に備わっていた千里眼を使って。

 自分には何も無い平凡な人間と嘆いていた瞳子もやはり、「辺境の人」万葉の血を受け継ぐ赤朽葉家の人間だったのだ。第三部はそのことを明確にするために描かれたエピソードなのだと自分は解釈しましたが。

 ミステリー部分も、おお~、前半充分タメといてここで持ってくる~? と充分な意外性。派手な謎解きではないけれど、瞳子と万葉の絆を感じられる納得の推理と結末。読後感爽やかです。明るい未来を感じさせます。

 なんにせよ、毛毬というキャラが終始痛快でした。丙午でヤンキー。作者もものすごく気に行ったキャラなのではないかと推測。第2部まではホントはこのハナシひょっとしてギャグなのでは? と思うところ満載。ぱらりらぱらりらとかもう遊んでいるとしか思えない! きっとこれも読者を飽きさせない為の作者のサービス精神の現れなんでしょう! スピンオフ作品「製鉄天使」にココロ惹かれる~!

 横溝正史とはまったく違った世界でした。予想を大きく裏切られました。おどろおどろしいどころか、ビューティフルワールド、この国の未来が美しい世界であってほしいと願う、瞳子の素直な心情の吐露で物語は締めくくられるのでした。

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