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個別記事の管理2011-07-11 (Mon)

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残酷な神が支配する (1) (小学館文庫)残酷な神が支配する (1) (小学館文庫)
(2004/10)
萩尾 望都

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 以前から読みたかった作品。こちらも職場の友人が貸してくれました! かなりな話題作・衝撃作とのことで、心して気合い入れて読みました。以下ウィキよりあらすじ。(壮絶&長いです!)

ジェルミはボストンで母サンドラとふたりで暮す高校生。
サンドラは勤め先のアンティークショップに客として訪れた英国紳士グレッグ・ローランドと恋に堕ちほどなく婚約するが、グレッグは精神的にもろいサンドラを盾にジェルミに肉体関係を迫る。一度きりの取引としぶしぶ要求に応じたジェルミだったが、子どもが大人の奸計に太刀打ちできるはずもなく、ふたりの結婚後、イギリスの邸宅リン・フォレストに移ってからさらに性的虐待はエスカレートしていく。
ローランド家にはグレッグの先妻の息子のイアンとマットがおり、ジェルミはイアンと同じ寄宿学校に編入。友人も出来て学校にも馴染み始めるが、帰省のたびにグレッグに身体を弄ばれ、誰にも相談できないまま追いつめられたジェルミは、やがてグレッグに殺意を抱くようになる。
クリスマスの前夜ジェルミは計画を実行に移すのだが、事故当日、巻き添えでサンドラまで死なせてしまう。ショックのあまりますます自分の殻に閉じこもるジェルミ。
一方、イアンはジェルミと父の死に何らかの関係が存在することを察知し真相を追求しようと決意するが、それはイアンの想像を裏切るものだった。

 このウィキによると「性的虐待、近親相姦、ドメスティック・バイオレンス、同性愛、未成年の売春、ドラッグ、トラウマなど、社会が抱えるさまざまな社会的問題」を盛り込んだサイコ・サスペンスとなってます。まったくもってスゴイです、壮絶です。負のテーマがてんこ盛り。ただ、このうちの近親相姦っていうのは? グレッグ(義父)とジェルミは義理の親子だし……だとしたらサンドラ(実母)とジェルミのこと? ちとここらへんが曖昧ですが、こんな壮絶テーマを全て盛り込んで質の高い作品に仕上げてしまうところが、さすが巨匠の手腕です。

 前半はただひたすらグレッグとジェルミの凄惨な性的虐待シーンの連続。精神的に危うい母・サンドラの幸福を願うジェルミに襲いかかる過酷な試練。これらのシーンはやはりオトナ向けかなと。もったいないよね、きっとこの前半で読者がかなり選別されるといってもいいのではないかと。ただ、この性的虐待シーンがあって、後半の心理的葛藤がより鮮やかに浮き彫りにされていくのだから、やはり必要な展開だったんだよね。
 虐待を受けるジェルミが次第にグレッグに対して殺意を抱いてゆく過程はとても自然でスリリング。萩尾望都の巧いところは、ただのキワモノ作品に絶対にしないこと。必ず必然性を持たせた描写・展開を用意していて、読者を読ませ・納得させてしまうところが素晴らしいなと。

 自分的に、これはジェルミの義兄・イアンの物語であるなという印象が強かった。
 今まで信頼してきた完璧な父親像が、ジェルミの出現によってガラガラと音を立てて崩壊してゆく。父親の欺瞞と悪事が一気に晒されてゆくその衝撃。ジェルミによって図らずも突きつけられた真実を認められず逃避しようとするイアン。が、しかし、最大の受難者であるジェルミの存在とその悲劇を次第に認めるにつれ、父親の真の姿を見極めようとあがき葛藤する彼の姿もまたジェルミ同様痛ましさを感じてしかたがなかった。

 子供にとって親という存在は「神」にも等しいと言うジェルミ。この作品のタイトルもここから来てますよね。
 実の母親はどっぷりと息子に依存し、義父は虐待を繰り返す。そんな環境下のジェルミは到底「人を愛すること」に怯え「愛」を知らない人間となってゆく。そんな彼にどうしようもなく惹かれてゆくイアンもまた悲劇的。ジェルミをなんとか立ち直らせようと悪戦苦闘するイアンだけれど、その彼のジェルミに対する愛情は互いを食いつぶすような辛く激しい葛藤でしかない。

 ラスト近く、ジェルミが実の母親サンドラに対する怒りをカウンセラーにぶちまけるシーンが秀逸。実は母親の息子への依存体質が早々にジェルミの精神を病ませていたという事実の発覚がね、意外だったかな。
 長年抑圧されていたジェルミの精神がイアンという存在によって少しずつではあるけれど解放され、「愛」を知っていくという、救いのあるラストにほっと胸なでおろしました!
 イアンとジェルミの精神と精神・肉体と肉体をぶつけ合い、魂の救済を求めるまさにガチバトル! 読んでいて辛く激しく泣かされた。

 テーマ的に必然と読者を選んでしまうけれど、自分的には一種のサスペンス感覚で読めたかな。上質な心理劇と言ってもいいような。
 虐待を受けたジェルミの心理的葛藤とか後のトラウマとか。とってもリアルで作者サンの見事な手腕をまたも堪能。悲惨な展開の中にあって天真爛漫で自殺マニア?のマージョリーとイアンの良き相談相手・リンドンがとっても清々しい存在だった。俗にまみれた中の聖的なシンボルみたいで。

 休日の今日、朝から17巻一気読み。←友人から借りたのは旧版のPFコミックスの方。自分に貸すためにかなり重いであろう全冊をわざわざ職場まで持ってきてくれた貴腐人お京様、ホント感謝感激☆
 ……て、あーあ、また異様な長さになってしまったし。ここまで読んでくださった方、ホントにありがとうございました!

  


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☆いつも応援ありがとうございます☆
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Theme : 考えさせられる本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 萩尾望都
* Comment : (10) * Trackback : (1) |

* by キヨハラ
17巻も、あったんですね。連載で読んでいて、それほど長いという気はしなかったのですが。

この作品の様々な要素、もれなく記載していらっしゃいます。また偏りもありません。
ひたすら、「そう、そう」と、うなずきつつ、このレビューを拝見いたしました。
読んでいない人にとって、親切で優れたレビューになっていると思います。

私もコミックスで一気に読み、頭の中で断片化した作品についての記憶を更新したくなりました。

Re: キヨハラ様☆ * by 惺
こんばんはー!
> 17巻も、あったんですね。連載で読んでいて、それほど長いという気はしなかったのですが。
昔のプチフラワーコミックスだと17巻あるんですよ!
長丁場でしたけど読み応えありました~。
なかなか難しいテーマの作品なんで
どうやって書こうかな?と迷いました……(>_<)

> 私もコミックスで一気に読み、頭の中で断片化した作品についての記憶を更新したくなりました。
オトナだから読み通せたかな?
これが若かりし頃だと結構キツかったかも。
想像していたよりキワモノではない感動作で良かったです!

* by お京
素敵なレビュー、ありがとう!
17巻、背負って行った甲斐があったよぉ……な~んて
自転車だけどね (^.^)b
重いテーマなので、どう捉えられるかな? と、ドキドキだったんですが大満足!
読むたびに発見あり、視点を変えると何度も美味しい作品です。
これからもレビュー楽しみにしています。
ではでは、おじゃましました~~☆

Re: お京様☆ * by 惺
こんばんはー☆
き、きゃー!!
まさかまさかお京様がご訪問くださるとは!! ひぇ~(>_<)

> 17巻、背負って行った甲斐があったよぉ……な~んて
> 自転車だけどね (^.^)b
いえいえ、暑い中、重いのにホントありがとうございます。
おかげさまで充分堪能できましたi-178

> 重いテーマなので、どう捉えられるかな? と、ドキドキだったんですが大満足!
> 読むたびに発見あり、視点を変えると何度も美味しい作品です。
マジ、重いね。それにこんな病んだテーマがてんこ盛りとは思わなかったし!!
でもさすが後味悪くなく、静かな感動で終わらせるあたり
ホント巧いなあと。
虐待からの再生話とも、サスペンスとも、いかようにも読めることのできる
多様性のある作品かな~と思います。
貸してくれてありがとね!
また来てね~☆ ではでは職場で~。

* by まいまい
17巻一気読み・・さすがです。
イアンがことの真相に気づきはじめたくらいまで
たぶん読んでると思います。

とにかくこの話を読むと心理的に追いつめられるので
投げ出してしまったんですよね。
この前の「イブの眠り」も最後まで読んで,何となく納得した気になれたので,
これも再挑戦しようかな。

サンドラが嫌だ。
萩尾さんは本当に天才です。
お話として冷静に読めないんですよね。
イアンの苦しみも見たくないけど
ジェルミが少しでも開放されるなら・・。

すばらしいレビューをありがとうございました。

Re: まいまい様☆ * by 惺
こんばんは☆
> イアンがことの真相に気づきはじめたくらいまで
> たぶん読んでると思います。
中盤少し前くらいでしょうか?
それまでがわりとサスペンス的展開で、
それ以降はイアンが主人公的展開になって面白いですよ!

> とにかくこの話を読むと心理的に追いつめられるので
> 投げ出してしまったんですよね。
確かに辛いですね。
とくに児童虐待モノなので。
でもそのシーンもやはり重要な核(?)となっているので、
頑張って読まなきゃ! っと奮い立たせながら読みました。

> この前の「イブの眠り」も最後まで読んで,何となく納得した気になれたので,
> これも再挑戦しようかな。
名作ですよ、やっぱり。
でもオトナ向き作品であることは確かですけどね。
また以前とは見方が変わるかも。

> サンドラが嫌だ。
ハイ自分もイヤでーす。あとグレッグも。
この2人こそがジェルミにとっての「残酷な神」なんですよね。
病んだ両親に育てられた子供こそ不幸だわ。

> 萩尾さんは本当に天才です。
> お話として冷静に読めないんですよね。
> イアンの苦しみも見たくないけど
> ジェルミが少しでも開放されるなら・・。
思いっきり感情移入しちゃいますよね!!
そこが萩尾サンの巧さだと思う!

いつも真摯なコメント嬉しいです!
で、今回もえらい長くて締り無い文を読んでくださって
ホントありがとうございました☆

* by ひいち
ふわー♪
おもしろそうっ(>∀<)
昔の少女マンガって結構強烈なものありますよねー(笑)
私も絶対に一気読みしちゃうなコレ(^∀^)

Re: ひいち様☆ * by 惺
こんばんは!
面白い&考えさせられたー!!
特に親の在り方について!!
ぜったいこの作品にでてくるような「親」になっては
いけないのだヮと痛感したし。
内容は衝撃的だけれど、小説にしたら
結構ありふれているテーマなのかなと。
でもコレは萩尾望都サンだからこそ描けるのかなと。
最初は結構辛いシーン多めですが、
読んで損はないと思うな!

* by 本読み人M
むむむむ…すごい作品というウワサは聞いておりましたが…めちゃくちゃ気になるではないですかー!
10巻で完結なんですね…大人買い、しようと思えばできますね…(ニヤリ)。
…ハッ!
い、いかん。置き場所がないからマンガ買いは控えているのに…!

Re: 本読み人M 様☆ * by 惺
こんばんはー(●^o^●)
> むむむむ…すごい作品というウワサは聞いておりましたが…めちゃくちゃ気になるではないですかー!
いやいや、内容もさることながら絵もかなり刺激的! なモノがてんこ盛り。
スゴいですが、深いです。

> 10巻で完結なんですね…大人買い、しようと思えばできますね…(ニヤリ)。
> …ハッ!
> い、いかん。置き場所がないからマンガ買いは控えているのに…!
フフフ…読んで損はない名作ですよん。是非一読を!
…なんて煽ってますね、スミマセン☆

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