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個別記事の管理2011-07-31 (Sun)

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あなたの魂に安らぎあれ (ハヤカワ文庫JA)あなたの魂に安らぎあれ (ハヤカワ文庫JA)
(1986/03)
神林 長平

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 ご訪問してくださったものりす様からのご紹介本です。初めて読む作家サンであったのと、なんてったって、タイトルに惹かれました。以下B00Kデータベースより内容。

核戦争後の放射能汚染は、火星の人間たちを地下の空洞都市へ閉じ込め、アンドロイドに地上で自由を謳歌する権利を与えた。
有機アンドロイド―人間に奉仕するために創られたそれは、人間のテクノロジーをひきつぎ、いまや遥かにすぐれた機能をもつ都市を創りあげていた。
だが、繁栄の影では、ひとつの神話がアンドロイドの間でひそやかに伝えられている。「神エンズビルが天から下り、すべてを破壊し、すべてが生まれる…」
果して破壊神エンズビルは本当にあらわれるのだろうか? ―人間対アンドロイドの抗争を緻密なプロットで描く傑作!

 1986年初版発行なのでやはりちょっと古い印象は否めなかった。
 語り口は緩やかでじっくりとハナシが進んでゆきますが決して冗長というのではなく何故か引き込まれてしまうという、不思議な魅力の作品です。
 ジャンルはやはりSFですね。だからといって専門用語がバンバン登場するというわけではなくて、作者創造の用語も何故か日本語表記多くて読みやすい。

 読了して自分は何故か聖書を連想。終末思想というか、未だ現れない神にも等しい存在をひたすら待ちわびるアンドロイド達──という、 なかなか惹かれるモチーフで、なおかつラスト近くの意表を衝くどんでん返しが面白い。
 火星の地上に生きるアンドロイド、地下に住む人間。その彼等の間には緩やかな対立が存在し、時が経つにつれて増大し、次第に一触即発の事態へと展開してゆく。

 紫外線に焼かれることを恐れて地下に住む人間達の倦怠に満ちた日常の描写がとてもリアル。厭世感たっぷりというのか、序盤のキーパーソンである誠元のけだるさがなんとも鬱々。それがそのまま人間世界のメタファーとなっている。
 逆にヒエラルキー的には人間の下に属するアンドロイド世界が何故か充実して見えてしまうという矛盾。
 人間VSアンドロイド。さらにアンドロイドの神エンズビルが絡んで、ゆったりとした序盤から徐々に加速度をまして一気に驚きのラストへと突入してゆく手腕に脱帽。

 アンドロイドと人間の差異とは一体何なのか? 自分の存在とは一体?
 なんだか哲学的なテーマも多少入っていてなかなか考えさせられたりもします。自分達が住んでいた火星が実は地球だったとか。既存の概念がことごとく打ち壊されてゆく恐怖と驚き。
 アンドロイドの神「エンズビル」の到来は実は遥か過去から仕組まれた人間達による計画だった──という設定もありがちといえばありがちですが、そのアンドロイドたちの末路が悲劇的なものではないことが救いかも。
 欲を言うと、もう少しアンドロイド側の心情描写があっても良かったかなあ、と思ったりもしましたが……なかなか見事な怒涛のラストへの収斂具合になるほどなあと感心しました。

 バリバリ派手なSFというわけではなく、文芸作品的なSFといったカンジでしょうか。自分的にとても新鮮な作品でした。ご紹介くださった、ものりす様ありがとうございました!


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