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個別記事の管理2011-08-30 (Tue)

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宴のあと (新潮文庫)宴のあと (新潮文庫)
(1969/07)
三島 由紀夫

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 久しぶりの三島作品。高評価でありながら埋もれがちの作品とのこと。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

プライヴァシー裁判であまりにも有名になりながら、その芸術的価値については海外で最初に認められた小説。
都知事候補野口雄賢と彼を支えた女性福沢かづの恋愛と政治の葛藤を描くことにより、一つの宴が終わったことの漠たる巨大な空白を象徴的に表現する。
著者にとって、社会的現実を直接文学化した最初の試みであり、日本の非政治的風土を正確に観察した完成度の高い作品である。


 あらすじにもあるとおり、政治をテーマにした小説でした。過去読了した幾つかの三島作品は、いわゆるヒロインの昼メロ的なモノが多かったんですが、今作はガラリと変わった硬派な作品。読み応えありました。三島作品って意外とヒロインが多いんですね。今回もかづという、今で言う高級料亭の女将がヒロイン。
 その彼女が、元首相である野口と出逢い恋愛を経て結婚に至る──ここまでは単なる恋愛小説かと思っていたんですが、それは長い前置きでした。

 結婚してからの展開が今作の真骨頂。無学だけれど情熱的・行動的なかづと、知的で物静かで常に冷静な野口。この真逆な個性の夫婦設定が絶妙。
 革新派に属する野口が都知事選に出馬するあたりから、俄然面白くなってきました。
 料亭の女将としてそれなりに人生を歩んできたかづが夫・野口の選挙運動をサポートしてゆくことに生きがいを見出してしまう──という意外な展開。
 自分でも知らなかった本当の自分。水を得た魚のように政治の世界を自由に泳ぎまわるかづ。夫以上に選挙運動にのめり込み、舌戦を繰り返し、戦略を練る。料亭を売却してまで政治資金を確保し、夫のために奔走する。

 しかし、かづがいくら奮闘しても現実は厳しい。対立する保守派は金の力で選挙に圧勝。
 何もかも失ったかづと野口。2人を襲う寂寥感。野口はこれを限りに政治の世界から足を洗い平凡な生活を送ろうとするが、本当の自分を知ってしまったかづにとって、思想を異にする野口と共に余生を送ることはもはやできない。
 よって、かづはかつて手放した料亭再建という新たな目標を掲げ、果敢にもそれに向かって突き進んでゆく。

 なんとも逞しい女性の姿。作品発表当時は何かと話題になったらしく、あまり評価は高くないようですが、もったいないなあと。選挙戦の内幕と精神的成長に目覚めてゆく一女性とをうまく絡めた、非常に面白い作品。もちろん時代は古いですが、読んでいてあまり古臭さ感じませんでした。
 選挙活動にのめり込んでゆくかづの狂気にも似た情熱。ちょっと病んでいるように思えてそら恐ろしいくらい。
 狂乱の宴のあとにひとり静かに読む、かづの政治活動におけるパートナーともいうべき山崎の手紙がなんとも余韻に残ります。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 三島由紀夫
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

これ嫌いなんだけど好きです。 * by semicolon?
女性の熱っぽさと男性の哀愁が素晴らしいですね。
何かを通して自己表現する女性と自己自身で表現する男性、けっこう本質をついてますよね。

Re: semicolon? 様☆ * by 惺
こんばんは♪
> 嫌いなんだけど好き
semicolon?サンにとって複雑な思いのある本なんですねー!

> 女性の熱っぽさと男性の哀愁が素晴らしいですね。
> 何かを通して自己表現する女性と自己自身で表現する男性、けっこう本質をついてますよね。
うーむ。真逆の個性ですよね。
まさに男女の本来の姿というべきか。
本来隠された人間の剥き出しの姿を描写する三島由紀夫の巧さはさすがだなと思いましたね~。

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