05≪ 2017/06 ≫07
123456789101112131415161718192021222324252627282930
個別記事の管理-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
* Category : スポンサー広告
|
個別記事の管理2011-09-06 (Tue)

ご訪問ありがとうございます☆

猫舌男爵猫舌男爵
(2004/03)
皆川 博子

商品詳細を見る

 コメントをくださった方からの紹介本だったのですが……文句なく面白かった!! 自分的に今年1・2を争う書籍かもしれないと思うほど。以下MARCデータベースより内容。

「猫舌男爵」とは、棘のある舌を持った残虐冷酷な男爵が清純な乙女を苛む物語…?
爆笑、幻惑、そして戦慄。小説の無限の可能性を示す、瞠目すべき作品世界。表題作ほか4編を収録した短編集。

水葬楽
 これは果たして幻想小説なのかSF小説なのか? 
 正直とても不思議な作品でした。人間の埋葬の仕方が、多分硫酸による溶解処理を施すことになる近未来SF設定なのかなと自分は理解しました。
 大きな病院に住む兄弟の話。その妹視点から語られる幻想譚といってもいいのですが……その2人の周りには常に「死」の影と閉塞感がつきまとう。
 妹が見て感じたあらゆる事実と事象が淡々と語られるだけの話なんですが、何故か独特の雰囲気に引き込まれてしまう。
 片時も離れずとても仲の良い兄弟が実は結合双生児だったという事実がラストで明かされ、やられたなと思った。分離手術を受けた後の妹の孤独・寂寥感が辛い。
猫舌男爵
 表題作。童話的な話を想像していましたが、全然違ってた!! シリアスな前作とはまったくテイストを異にした爆笑コメディだったとは!!
 某外国人が母国語に翻訳した「猫舌男爵」。そのあとがきとして展開する悶絶必至のおバカ(失礼!!)ワールド。
 その翻訳具合も相当な低レベル。あとがきに登場した様々な人物たちを巻き込んで話はとんでもない方向へ!!
 何故か山田風太郎作品が登場したり(甲賀・柳生・風来・くの一・銀河忍法帖などなど、かなーりマニアックなモノばっか!!)、果ては鶴屋南北とか……もうもう予想もつかない話で笑いすぎて悶絶したし!! 
 しかし、ラストきちんとハッピーエンドで締める名人芸には恐れ入りました。
オムレツ少年の儀式
 タイトルからはどんな話か皆目想像できず。
 ヨーロッパのスラムを連想させる雰囲気作りには脱帽。主人公の少年の純粋さとダークさがなんとも魅力的な1作だった。
 ラスト数行のオチにちょっとゾッとさせられた。巧い!!
睡蓮
 天才画家の妹と医師の兄。その双子と親族を巡る愛憎劇。
 現在→過去を遡る→現在 という構成も素晴らしいし、短い書簡体でまとめあげたストーリーに瞠目。
 ひとりの天才女流画家の数奇で悲惨な運命を、その死後、名誉回復を雪ぐ親族の愛に静かな感動。
太陽馬
 神話的なイントロから一気にロシア革命・第一次大戦へとストーリーが見事に転換。
 並行してロシアのコサック兵の壮絶な生き様が語られる。戦火の中生き残った4人。生き残る術は投降か誇りを抱いた死か。主人公のコサック兵の「歌」に託した自由と生への憧れ。そして潔い死に泣いた。

 読んでいて醜悪と感じる描写も多々ありながら、それをきっちりと描くことによってリアリティとまさに「人間の真の姿」をあぶり出してゆく手腕が素晴らしいと思った。
 精緻な筆致、隙のない描写、畳みかけるような文体。どれもこれも自分にとってかなり衝撃的。
 こんな小説もあるんだ!! と感慨に耽ってしまった1冊でした。皆川博子サン、ハマッてしまいそうです。

 ご紹介くださったリーネ様。ありがとうございました!! 購入したいと思いましたが……中古でしかも高い!!
 検討します。(欲しいよ、マジ)


blogram投票ボタンにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ人気ブログランキングへ
☆いつも応援ありがとうございます☆
関連記事
Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 皆川博子
* Comment : (6) * Trackback : (1) |

* by ひいち
皆川博子さん。
読んだ事ないですー。面白かったんだね!
興味しんしん!
ちょっと色々調べて見ますねー(^∀^)

Re: ひいち様☆ * by 惺
こんばんは☆
ものすごく難解そうだけど、読んでみるとそうじゃない。
シリアスもコメディもなんでもござれの作品にビックリ!!
実は密かなファンがたくさんいるらしいです。



* by 潤
惺さん、こんちには。
あけましたおめでとうございます(こんなところで)

「猫舌男爵」なんともおなかいっぱい短編集でしたね。
私は「開かせて~」「倒立する~」のあとのこれでしたので、
新境地をみた心地です。特に「猫舌男爵」(笑)
「睡蓮」の構成力は流石だなーと思いました。
他の皆川作品も読みたくさせる短編集でしたね!

TBさせていただきましたー☆

Re: 潤様 ☆ * by 惺
こんばんは!
こちらこそあけましておめでとうございます!
本年もヨロシクお願いいたします。

自分もあの「猫舌男爵」のハチャメチャぶりには
もうビックリ(>_<)
コメディもお得意なのね、とため息モノでした。
まさにオールラウンドプレイヤー!
至高の短篇集と称号を贈らせていただきたいです~。
皆川作品にどっぷりハマってしまいました。

こんにちは or  こんばんは☆ * by 紫苑
猫舌男爵!もの凄く読んでみたくなりました!ちょっと高そうなので、今度図書館で探してみま~す♪(笑)

Re: 紫苑様 * by 惺
こんばんは!
> 猫舌男爵!もの凄く読んでみたくなりました!ちょっと高そうなので、今度図書館で探してみま~す♪(笑)
かなり独特の世界を描いた短篇集です!
自分はこの作家サン&作品が大好きなんです。
そうなんです…とても高くて手がでなかったので、自分も図書館で借りました☆

コメント







管理者にだけ表示を許可する


FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
「猫舌男爵」 皆川博子
猫舌男爵 皆川博子発売元: 講談社発売日: 2004/03 おすすめ:★★★☆☆ 後にわたしはいろいろな言葉を知ったけれど、 このとき奏でられた音楽を表現する言葉はいまだに、ない。 「猫舌男爵」とは、棘のある舌を持った残虐冷酷な男爵が清純な乙女を苛む物語…? ?... …
2012/01/14 16:39  感ジル想イ。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。