09≪ 2017/10 ≫11
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
個別記事の管理-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
* Category : スポンサー広告
|
個別記事の管理2011-09-18 (Sun)


ミシン (小学館文庫 た 1-4)ミシン (小学館文庫 た 1-4)
(2007/12/04)
嶽本 野ばら

商品詳細を見る

 「下妻物語」以来の嶽本野ばら。どの作品にしようかとっても迷いましたが、デビュー作収録ということでこちらに。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

孤独な青年雑貨店主と、心に病を持つ少女──Vivienne Westwood の洋服を愛する二人が運命的に出会い、はかない逃避行に旅立つ名作「世界の終わりという名の雑貨店」。
そして、MILKの洋服を華麗に着こなすカリスマ・ヴォーカリスト、ミシンに恋する少女の「乙女」としての生きざまを強烈に描いた表題作「ミシン」を収録。


 まず、表題作の「ミシン」から。
 いやいや自分的にはとても面白かった。ただ、これは好みが分かれる作品だなあと。作者サンが傾倒している吉屋信子作品を読んだことがある人、理解できる人であれば「ミシン」の良さはわかるのではないかと。そうでない人はまったく受け付けない可能性大です。
 ヒロインはあまり美しくないと自分で思っている少女。イマドキの流行モノは一切受け付けずに、中原淳一や高畠華宵にクラシック音楽などのかなりなレトロ趣味嗜好。
 中でも特にお気に入りなのが吉屋信子の「花物語」。作品中のモチーフというかテーマにもなっている、少女同士のプラトニックラブに憧れるヒロインが、ある日カリスマ・ヴォーカリストの「ミシン」に一目ボレ。その彼女を恋慕い、何とかしてお近づきになろうと獅子奮迅する様子が、ちょっとコミカルで楽しい。

 「ミシン」との出会いによって変わってゆく自分。なにより「ミシン」お気に入りブランドのMILKを着用したことがきっかけで一気に彼女との距離が縮まり、紆余曲折を経て同じバンドメンバーとなってしまうという怒涛の展開! 
 性格も育った環境もまったく違う二人の共通点はMILKというブランド。憧れていた少女とのプラトニックラブを手にしたかのようなヒロイン。そんな彼女は「ミシン」にとあるお願い事をされてしまう……。
 ラストはちょっとダーク展開ですが、なるほど、こうきたか! といった意外性で自分はとっても好きです。

 ホントはこっちがメインの同時収録作「世界の終わりという名の雑貨店」。
 過去映画化もされたそうなので、断然一般受けしそうだし名作の域に達しているかも。
 「世界の終わりという名の雑貨店」を経営する27歳の「僕」。そんな彼の店にVivienne Westwood で全身固めた少女が来店する。 その少女は悲しい事に顔に痣を持ち、それが深い心の傷となっている。いわゆるメンタル病みの少女と「僕」との純粋な愛情物語なのですが……。

 お互い心惹かれあいながらも言葉を交わすことができない「僕」と「少女」。この作品でも重要なアイテムがファッションブランドのVivienne Westwood 。心を病んでいた彼女がそのブランドを着用することにより、自信を持ち自己を解放してゆく。実は一目で恋に落ちていた2人は互いの気持ちを確認し、なんと逃避行を決行してしまう。
 閉ざされた世界の中で育まれた2人の愛情は、ある意味歪んでいるとも純粋であるともいえる。ラスト、病んでいた少女が「僕」に残した書簡がとても悲しく印象的。

 独特の世界観が素晴らしいなあと。特に「ミシン」は後の傑作「下妻物語」の萌芽を感じるし、個人的には好きな作風。
 2作品とも強烈な個性の作風に、少し古めかしくも流麗な文体がとても良くコラボした佳作といったカンジでした。


blogram投票ボタンにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ人気ブログランキングへ
☆いつも応援ありがとうございます☆
関連記事
Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 嶽本野ばら
* Comment : (4) * Trackback : (0) |

* by ひいち
こんばんは♪

私も嶽本野ばらさんの作品の中では結構好きな本です。
お洋服の描写がまた好きで。「こういうの着られたらなぁ」なんて思いながら読むのも楽しかったな☆☆

Re: ひいち様☆ * by 惺
> こんばんはー☆
> 私も嶽本野ばらさんの作品の中では結構好きな本です。
え、ひいちサンも読んだ?わーい!
どの作品にしようかと迷ったけど、コレにして正解だった!
「世界の終わり~」も「ミシン」もどっちも好みのハナシで面白かった!

> お洋服の描写がまた好きで。「こういうの着られたらなぁ」なんて思いながら読むのも楽しかったな☆☆
そうそう! ヴィヴィアンは思わずサイト調べちゃった!
びっくりするくらい高かった…(>_<)

* by まいまい
読んだ!・・・はず。
でもどうしても「ミシン」のイメージが浮かんでこない。
困った!

でも「世界の・・」の方はものすごく印象的な作品だったので覚えてます。
ブランドの使い方もウマイ!
映画化したくなる気持ちがよくわかります。

何というか一種の形式美というか、
こういうお話はこういう結末でしょ。
と、いうような感じのお話で
きっと好みが分かれますよね。
確信犯というか・・。

ちょっともったいないかなあという気もします。
でもこういう作りの方が
きっとこの世界に浸れるんでしょうね。

Re: まいまい様☆ * by 惺
こんばんは☆
> 読んだ!・・・はず。
> でもどうしても「ミシン」のイメージが浮かんでこない。
> 困った!
「世界の~」に比べると印象薄いかもですね。
ちょっと独特のテーマですし。

> でも「世界の・・」の方はものすごく印象的な作品だったので覚えてます。
> ブランドの使い方もウマイ!
> 映画化したくなる気持ちがよくわかります。
>
> 何というか一種の形式美というか、
> こういうお話はこういう結末でしょ。
> と、いうような感じのお話で
> きっと好みが分かれますよね。
> 確信犯というか・・。
「ミシン」よりかは一般受けしそうなハナシですよね。
でもやっぱり独特の世界があるから(かなり強烈だし!!)
苦手な人はムリーって思ってしまうかも。

> ちょっともったいないかなあという気もします。
> でもこういう作りの方が
> きっとこの世界に浸れるんでしょうね。
確かに!
読者を限定してしまう恐れがあるのが惜しいですよね。
でも逆に型にはまった展開を好む人もいるのかも。
まいまいサンもいろいろなジャンルと作家サン、
網羅してますねー!
なにかおススメあったら教えてくださーい!

コメント







管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。