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個別記事の管理2011-09-26 (Mon)

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こころtoこころこころtoこころ
(2011/05/30)
玉兔

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 ブログでコメント頂いた方からのおススメ本。なので興味津々で読了しました。以下bk1より内容説明&著者コメント。

私立の女子高にスクールカウンセラーとして勤める私。生徒・翠のいじめ問題を解決してから1年ほどが経ったある日、翠が再びカウンセリングルームを訪れた。
翠は、兄に体を触られたと話し…。

複雑化する現代人のこころの悩み。それは翳りに沈む孤独の迷路のようなものです。そこに光は、出口はあるのか。
スクールカウンセラーの目を通して、独り彷徨う少女のこころに迫ります。明かされる真実、彼女の自我(こころ)の行方とは。
心理カウンセリングの観点から、読者の皆さまとともに、人間のこころ、その勇気ある生き方を見つめ直していければと考えています。

 自分ではきっとセレクトしない作品だなと。だからこそ、紹介して頂き新たなジャンルを開拓した思いが。
 今作、もちろん小説なのだけれど、まるで一患者に対する詳細なカウンセリングレポートのような印象でした。作者の玉兔(つき)サンのプロフィールがまったく記載されていないので、女性なのか男性なのか、医療に従事されていて、実際本当にカウンセラーなのか? そこのところがわかればもっと作品を堪能できたのかと思うと、少し残念な気も。

 ストーリーは一人のスクールカウンセラー視点で展開。
 まず、文章が巧くてビックリでした。故意にそうしているのかは判別できないけれど、かなり難しい言い回しと非常用漢字の多用で、独特な世界を創りあげていることに脱帽。
 冒頭の秋の情景描写から自然な流れで人間の精神の病の説明を経て、主人公自らの紹介となってゆく展開が素晴らしいと思った。正直、これからどんな展開が待ち受けているのか期待を膨らませて、思わず惹きこまれてしまった。

 イジメに遭っていたことがきっかけでそのスクールカウンセラー(略してSC)の許にやってくるのが高校2年生の少女。
 少女はSCと次第に心を通わせて無事イジメを克服するのだが、数ヵ月後、再度SCの許にやってくる。今度は兄による性的虐待の事実を相談をするために。
 少女から告げられる衝撃の事実と、それによる少女への精神的な打撃と苦痛。それらをどうやって最小限に食い止めることができるのか。
 あくまでも沈着冷静に淡々と少女への療法を分析し提示してゆくSCの描写が素晴らしいと思った。作者サンが実際にSCなのではないかと思わせるほど、専門用語の多用と性的虐待に対する被害者の後遺症などのわかりやすい説明。

 被害者はどちらかというと、自分に非があると思い込みがちなのだそうだ。しかし、決してそうではない。少女に向かって自分を責めてはいけないということを、過去に自分の身に降りかかった同様の被害を例に挙げてカウンセリングを施してゆく治療過程が、読んでいて臨場感を感じるとともに、悲痛な現実も感じた。
 語るSCは自らの過去に遭った悲惨な虐待を乗り越え、今自分の眼前で同様の被害に遭って苦しむ一人の少女を救おうとする。そのSCのカウンセリングで自虐的だった思考が矯正され、癒されていく少女。
 少女をカウンセリングしながら、かつて自分も被害に遭ったという現実から逃避することなく、虐待の精神的ダメ―ジを完全に克服したSCの強さをひしひしと感じることができた。
 タイトルにもあるように、こころとこころが触れ合い、カウンセリングが成功した瞬間のSCの達成感がとても清々しかった。

 とても考えさせられる小説でした。本当に小説といっていいのかどうか。もしかしたら実際にあった症例なのかも知れないな、と思わせるほどリアリティに溢れる内容でした。
 ご紹介してくださったリーネ様、ありがとうございました。


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