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個別記事の管理2011-11-23 (Wed)

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少女地獄 (角川文庫)少女地獄 (角川文庫)
(1976/11)
夢野 久作

商品詳細を見る

 以前から読みたかった作品。ドグラ・マグラにしようか迷ったけれど、1冊で読みやすいこちらに決定。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

可憐なる美少女、"姫草ユリ子"は、すべての患者、いな接触するすべての人間に好意を抱かせる、天才的な看護婦だった。その秘密は、彼女の病的な虚言癖にあった。一つのウソを支えるために、もう一つの新しいウソをつく。
無限に増幅されたウソの果ては、もう、虚構世界を完成させるための自殺しかない。そしてその遺言状もまた……。

何でも無い
殺人リレー
火星の女 
の中篇3作収録。

 中篇集だったんですね。自分はてっきり1作の長篇かとばかり思ってました。しかも全作書簡体小説の体裁をとってます。
何でも無い
 もう、面白すぎました。自分的にかなりツボ。3篇の中ではやはりがダントツの面白さだったかな。
 とある耳鼻科に就職希望の少女、姫草ユリ子。彼女がつく些細な虚栄からくる嘘が、さらに嘘を呼び、虚言の連鎖となって最終的には自分自身の首を絞め、自殺せざるを得ない──というラスト。ストーリーとしてはとても簡単でありがちなのだけれど、書簡体という珍しい構成と、姫草ユリ子という強烈な個性のヒロインに度肝抜かれました。
 極貧の家庭出身の彼女。あまりにも辛く悲惨な現実から逃避するように自分自身を一種のヒロインとして妄想する。それが自己完結しているのならばそれで良かったのだけど、次第にエスカレートして、いつの間にか妄想と現実の境界を踏み外してしまう。
 病んだ少女の話ですね。語り手の医師がまた騙されていると後々分かっても、なぜかユリ子を激しく叱責したりはしない。怒り心頭でいながらも、終始彼女に対し憐憫の視線を向けているというのも、また人間心理の不思議なトコロ。
 ユリ子の見事な虚言癖。そして騙される周囲の人間たち。自分の不幸な境遇から必死に這い上がろうと躍起になっているユリ子がなんとも哀れ。うーん、ここなんだな、誰もがユリ子を心底憎めないのは……ってついつい感情移入。自分を実物以上に見せようとしてしまう虚言と虚飾。それは現在にも誰にでもあるよね。時代を超えた普遍のテーマだからこそ激しく作品世界に入ってしまったんだろうな……っていうのはあくまでも自分の考えなのですが。

殺人リレー
 バス会社を転々とする結婚詐欺師であり殺人鬼でもある一人の男をめぐる愛憎劇。
 こちらも書簡体という設定を巧く活かしたストーリーかなと。ある意味犯罪者である運転手が悪の魅力満載で。
 対する女性も男の悪を知っていながら、どうしてもその魅力に抗うことができずに結果的に破滅してゆく──という。
 ちょっとサスペンスっぽい雰囲気の作品でした。

火星の女
 これは……ちょっと時代を感じてしまったストーリーだった。
 とある県立高女で発生した放火事件。その現場には一体の黒焦死体が──。
 こちらも新聞記事&書簡体という凝った構成。とあるボーイッシュでスポーツ万能少女の復讐譚。
 前2作に比べるとちょっと作り過ぎ感が否めなかったんですが、特にヒロインのボーイッシュ少女。あまりにも悲劇的すぎかなって。ただ、話としてはやはり食い入るように一気読みしてしまいました。男尊女卑が根強く残るこの時代において、その存在を顕示せんとばかりに復讐の執念を燃やす激しいヒロインにちょっと感情移入。

 少女地獄とはものすごく良いセンスのタイトルだと思う。それぞれの地獄に陥って苦しみもがく少女(女子)達。
 ただ、登場するヒロイン達のネーミングセンスはあまり良くないよねー。
 姫草ユリ子にはブッ飛んだけど、さらに虎間トラ子、舞坂トメ子にミス黒焦事件に極めつけが火星の女とか……ちなみに火星の女とは、地球上にいる普通の女とはあきらかにちがうということで、「火星の女」。ひどくね? でも爆笑させていただきました。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 夢野久作
* Comment : (6) * Trackback : (0) |

こんばんは~ * by 筒涸屋
おぉ~、少女地獄!
この中ではオレは「殺人リレー」が好きです。
ほどよい分量で読みやすいので(笑)

夢野久作の世界に足を踏み入れるとなかなか抜け出せないです。

Re: 筒涸屋様☆ * by 惺
こんばんは!
「殺人リレー」もいいですよね!
最初一体どんな展開になるの?
と思っていたら…!
まさかまさかのラストでビックリでした。

> 夢野久作の世界に足を踏み入れるとなかなか抜け出せないです。
確かに~。
面白すぎる!! てか、次はいよいよ「ドクラ・マグラ」かな~(>_<)

* by HappyFlowerPop
この作品は題名が好きです^^
内容は題名ほど過激じゃなかったですけど
夢野ワールドでしたね。
「ドグラ・マグラ」は滅多に読み返さない私が何回か読み込みました。面白くて。
そちらもぜひぜひ
チャカポコチャカポコ^^(←「ドグラ・マグラ」で入る合いの手)

* by ゆう
こんにちは。
夢野 久作さん、読みたいけれどまだ手を出せない作家さん。「ドグラ・マグラ」を一度立ち読みしたら、ハマりそうで怖くて、以来、まだ勇気が出てない。
しかし、少女にスポットを当ててる割に、そのネーミングセンス、たしかにすごいかも…。

Re: ゆう様☆ * by 惺
こんばんは!
確かに…読むのに勇気いる作家サンですよね…自分もやっとっていうカンジです。
でも少女地獄はタイトルほど怖くなかった。
ふつーの小説かなって印象です。やっぱりかなり時代感じるけど。
「ドクラ・マグラ」…多分近々挑戦すると思うけど…やっぱり勇気がいるな…(>_<)

> しかし、少女にスポットを当ててる割に、そのネーミングセンス、たしかにすごいかも…。
そうなんですー!
もうだんだんふざけてんのかな?
って思っちゃいましたよ。でも爆笑しちゃったけどね。

Re: HappyFlowerPop 様☆ * by 惺
こんばんは!
ひぇ~~!
大変申し訳ございません!!
返信が大変遅くなりました(>_<) ひたすら土下座させていただきます!!

> この作品は題名が好きです^^
> 内容は題名ほど過激じゃなかったですけど
> 夢野ワールドでしたね。
確かに!
もっとおどろおどろしいのかと思っていましたが、
逆に爆笑してしまうシーンが多々ありました。

> 「ドグラ・マグラ」は滅多に読み返さない私が何回か読み込みました。面白くて。
> そちらもぜひぜひ
面白そうです~(*´ω`*)
近いうちに…と思っていますが、いつになるやら…。

> チャカポコチャカポコ^^(←「ドグラ・マグラ」で入る合いの手)
合いの手…そんなものがあるんですね。
さらに興味津々ではないですか~!

コメント







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