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個別記事の管理2011-12-03 (Sat)

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雪のひとひら (新潮文庫)雪のひとひら (新潮文庫)
(2008/11/27)
ポール ギャリコ

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 本屋に行って例のごとくジャケ買いです。素敵なジャケットに一目ボレしてしまいました。以下BOOKデータベースより内容。

ある寒い日、雪のひとひらは生まれた。地上に舞いおりたときから、彼女の長い旅がはじまった。
伴侶となる雨のしずくとの出会い、新たな命の誕生。幸福なときも試練のときも、彼女は愛する者のために生きた。やがて訪れた、夫との永遠の別れ、子どもたちの門出。
雪のひとひらは、その最期の瞬間、自らの生の意味を深く悟る―。自然の姿に託して女性の人生を綴る、優しく美しい物語。

 最初パラパラと読んだ時には子供向けのファンタジーなのかな? と思うほど。素敵な挿画入りで作風も童話っぽい。読みやすくてするすると読んでいたら、子供向けとはとんでもない! 女性の一生を描いた作品なのでありました。

 とある寒い日、地上を何マイルも離れたはるかな空の高みで生まれた雪のひとひら。女性なんですね、これははっきりと強調されてます。
 その彼女が地上にはらはらと舞い降りてきたことから、「人生」という長い長い旅が始まる。
 生まれたばかりの彼女の目に映るものはすべて優しく感動的なものばかり。夜明けの素晴らしい景色と暖かい太陽の光。元気に学校に通う少女──などなど、人生は彼女を優しく受け入れてくれるかと思いきや、成長とともにさまざまな試練に遭遇してゆく。

 降り積もる雪の下敷きとなり、奥深く閉じ込められる日々。それは人間に例えればあたかも困難に遭ってじっと耐え忍んでいる日々のようでもある。そしてようやく春の訪れとともに固く降り積もった雪も融け始め、彼女は川の流れと共にさらに速度を増して遠く旅立つこととなる。
 人生を川の流れに例えて遭遇するさまざまな出来事。運命の相手「雨のしずく」と出逢い、4人の子供をもうけることによって、「雪のひとひら」の人生はさらに豊かなものへと変化してゆく。それはそのまま人間の女性の人生をなぞらえたものであって、同じ女性として読んでいてとても共感する部分があった。

 普通、女性の一生を描くとなると、どちらかというと教訓的でステロタイプなものが多いと思うのだけれど、ギャリコはやっぱりひと味違った。男性であるのに、どうしてこうも女性視点で描くことができるのか? 女性そのものを描くことが巧いのか? ファンタジーという衣を着せて巧みにさらりと女性の不変的な一生を描く手腕にはちょっと衝撃的でもあり、正直唸った。
 小説において男性視点で女性を描くとどうしても理想形が強調されてしまうケースが多々あって自分はあまり好きではないのだけれど、ことギャリコにおいてはそんな嫌悪感がまったくなかった。

 そしてこの作品にはもう一つ「神とは何か? 自分の存在意義とはなにか?」という隠されたテーマも孕んでいると思った。
 ラスト、彼女が灼熱の太陽に照らされてその一生を終えようとする瞬間に自分の生まれた意味を知り、さらに、自分の生涯に対して優しいねぎらいの言葉をかけてくれた大いなる存在の声──これらのシーンがとても象徴的で胸に迫りましたね。
 ホント、短篇であり、平易な文章でありながら深く不変的な内容の上質なファンタジーでありました。おススメ。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : ポール・ギャリコ
* Comment : (4) * Trackback : (0) |

ブルー! * by 読書系女子
表紙がキレイなブルーで吉本ばななのブルーだ!と思ったら、ばなな作品の絵を担当していた原マスミさんの手によるものだったので(←アマゾンレビューで知りました)、おおおぉぉ!やっぱり、と思いました。
ジャケ買いしちゃいますね~これは。

Re: 読書系女子様☆ * by 惺
こんばんは!
よしもとばななのブルーとは!
さすが詳しいよ、読書系女子サン。
原マスミさんとは…ばななサンの絵とはまた全然違った雰囲気だよね…。
もう素敵すぎて即買いしちゃいましたー!
話も面白かったよ☆

ギャリ子さん * by 道楽猫
いいよねぇ。
この人は本当に人の心を掴むお話づくりが上手い人だなぁと思います。
存命であれば「ネコだったことがあるの?女の人だったことがあるの?」とか聞いてみたい(笑)。

Re: 道楽猫様☆ * by 惺
こんばんは!
> 存命であれば「ネコだったことがあるの?女の人だったことがあるの?」とか聞いてみたい(笑)。
あー、わかる!
まったく違和感ないよね。女性描くのも嫌味じゃないし。
ハズレがない貴重な作家サンだと思うなー!

コメント







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