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黒薔薇黒薔薇
(2006/02/17)
吉屋 信子

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 何度目かの再読。「黒薔薇」と書いて「くろしょうび」と読むそうです。以下BOOKデータベースより内容。

22歳の春、瀧川章子は地方の町立高等女学校へ教師として赴任する。校長が生徒のMensesの調査を命じたのに一人反抗し、早くも職員室の注意人物になってしまう。そんなとき、授業で出会った美しい樋口和子という生徒にひかれてゆく。
同性を愛慕することの恐ろしさと反自然的な感じに脅かされつつ、苦悶する章子…。交流を重ねるなか、二人を襲う悲劇!!
大正~昭和の大流行作家・吉屋信子が生涯に一度だけ主宰した個人雑誌『黒薔薇』。この中から表題作、珠玉の作品をセレクト。可憐でせつない“エスの世界”、乙女たちの憧れと夢、苦悩と孤独。全編、全集未収録作品。


 挿画は松本かつぢ氏。素敵なので大きくしてみました。
 きちんとした書籍で出版されたのではなく、吉屋信子の個人誌として、今で言う自費出版なのでしょうかね。特異な形で世に出た作品とのことです。
 大正14年出版とのことで、当時の風俗なども知れてなかなか貴重な作品だな、というのは個人的感想。作中、ヒロイン章子が友人と喫茶店でソーダ水を「麦のくだ」で飲むなんて描写があって……。麦のくだ…いわゆるストローの名の由来はこれなんだなあ、と雑学気分で楽しめます。

 ストーリーとしては、 「屋根裏の二処女」 の続編といったカンジなのでしょうか? ヒロインも同名の「章子」だし。その章子の想い人との破局を経験して、彼女はとある県立女学校の教師となるべく赴任する。そしてそこの生徒である美少女・和子との間に師弟関係以上の感情を抱くようになる──。
 年上の教師・章子と美少女生徒・和子との淡く清い絆を描いた作品なのですが、いろいろな書評にも書かれているように、作品としては完成度イマイチなのかなと。
 全編を通して章子の県立女学校とその校長への不満(これは裏を返すと当時の男性上位社会への不満でもあるのだけれど)と、和子への思慕を詳細にとりとめない描写で綴られているな、との印象が強かった。
 小説としても途中まで三人称視点で書かれていたのに、突如として章子視点で書かれるなどの変更もあったりしてなかなか混沌&散漫な感じが否めない。

 けれど、和子に出会ってからの章子の心情の変遷が丁寧に描かれているので、その部分を読むだけでもやっぱり惹きこまれてしまいますね。それに章子を通して、おそらく作者の恋愛観を語らせているあたりがとても興味深かった。
 ストーリーはちょっと破綻気味? 唐突に終わるラストにもええ? とちょっと驚きだったし、章子の思い悩む姿もちょっとくどい感じがしたし。

 ただ、やはり少女の微妙な関係を描かせたら天下一品の吉屋信子。繊細な感情のあやが見事に表現されているなと。
 以前読んだ吉屋信子の自伝的作品で、この自費出版自体が、彼女の生涯のパートナーであった女性に仕事を持たせるためのものだったと同時に、当時の商業主義的な出版業界に幻滅し、彼女なりの抵抗手段だったとのことです。
 吉屋信子の作品を読むたびに思うことは、彼女の作品がそのまま、彼女の生きざまのようなものなのだなということ。
 相当に魅力を感じる作者であり、作品群なんですよね、自分にとって。


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