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個別記事の管理2012-02-12 (Sun)

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十蘭レトリカ (河出文庫)十蘭レトリカ (河出文庫)
(2012/01/07)
久生 十蘭

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 書店に行ってジャケットに一目ボレ。幻想小説風な雰囲気に興味津々でした。以下BOOKデータベースより内容。

十蘭の前に十蘭なく、十蘭の後に十蘭なし。
破天荒へ向けての完璧な計算、予想を裏切り期待を裏切らないウルトラC。最高の達成度を示す異色の傑作群。
「胃下垂症と鯨」「モンテカルロの下着」「ブゥレ=シャノアヌ事件」「フランス感れたり」「心理の谷」「三界万霊塔」「花賊魚」「亜墨利加討」の圧巻八篇。


胃下垂症と鯨
モンテカルロの下着
ブゥレ=シャノアヌ事件
フランス感れたり
心理の谷
三界万霊塔
花賊魚
亜墨利加討 


 初めて読む作家サンだったのですが……ものすごく個性的&独特の世界に持っていかれました。
 300ページちょっとだったのですぐに読めるかな? と思っていたら、かなり読むのにてこずった。
 読みにくいというか難解というか。内容理解するのにとっても時間がかかってしまって。時代もあるのだろうけどすんなりと読める&作品世界に入っていける……というものではなかったです。(あくまで自分の場合)。
 8篇中特に印象に残った作品をいくつか。

胃下垂症と鯨
 なんとも意味不明のタイトル。友人?の家に居候していると思しき胃下垂症を患っている「私」。その「私」と友人の夫人との微妙な関係を幻想小説風に。
 タイトルにある胃下垂症は「私」持病。鯨は夫人が作ってくれたサンド・イッチの具。妙にインパクトある短篇。
フランス感れたり
 外国人が多く滞在する軽井沢を舞台に、フランス人・ベロォさんの滑稽な姿を当時の世界情勢に重ね合わせて描いているのかなと。
心理の谷
 これはなかなか面白かった!
 信託銀行専務の令嬢と付き合って逆玉を狙うサエない男子・山座。うだつが上がらない割に女子にはモテまくり。令嬢の他にももう一人、小悪魔的な少女・礼奴とも付き合い始めた山座。計算高い彼の二股恋の行方は? 小悪魔・礼奴の魅力が光る。
三界万霊塔
 巨万の富を得るために殺人を厭わない男の過去。見事富豪になるも、ふとしたことから墓穴を掘ってしまうというオチ。なんともブラック。
亜墨利加討 
 幕末から維新時代を舞台に、父親をアメリカ人に殺害された男が復讐するために遥かアメリカまで出向くという一種の復讐譚。世界に向かって開けようとしている日本をなにげに暗喩しているところも秀逸。

 8篇それぞれテーマも作風もまったく違う。
 幻想小説風であったり、ラブコメ的であったり猟奇的であったり復讐譚であったりとバラエティに富んだ作品群。
 このような作家サンがいたのだと、目からウロコ。フランスに滞在経験があったとのことで、作風がどことなく洒落ているのも特徴的。変幻自在の面白さ、堪能させていただきました。もっと他の作品も読みたくなる作家サンです。ごちそうさまでした(笑)。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 久生十蘭
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

* by ひいち
タイトルがもうなんか・・・そんな感じだね(^^)
ジャケ買いをすると、思わぬ出会いがあったりするよねー。

Re: ひいち様☆ * by 惺
こんばんは!
> タイトルがもうなんか・・・そんな感じだね(^^)
> ジャケ買いをすると、思わぬ出会いがあったりするよねー。
確かに!
ハズれたりすることもあるけれど、
大当たりだった時はホントに嬉しい!
この本も意外な面白さでした☆

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