07≪ 2017/08 ≫09
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
個別記事の管理-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
* Category : スポンサー広告
|
個別記事の管理2012-02-25 (Sat)

ご訪問ありがとうございます☆

ナボコフ全短篇ナボコフ全短篇
(2011/07/30)
ウラジーミル・ナボコフ

商品詳細を見る

図書館への返却期限が明日。3週間も借りていたのに読破出来ず。無念、ひたすら無念。以下BOOKデータベースより内容。

“言葉の魔術師”ナボコフが織りなす華麗なる言語世界と短篇小説の醍醐味を全一巻に集約。
英米文学者とロシア文学者との協力により、1920年代から50年代にかけて書かれた、新発見の3篇を含む全68篇を新たに改訳した、決定版短篇全集。


 ナボコフというとどうしても「ロリータ」の印象が強い。あの独特の作風と雰囲気・テーマ。この短篇集もそんな作品が多いのかと思いきや、まったくそんなことはなく、バラエティに富んだ、どちらかというと正統派な作品が多かったような気が。
 けれど、中には幻想文学的な作品もあって楽しめる。特に最初の作品 森の精 などはタイトルからしてそれらしい。
 語り手「僕」の許に奇妙な訪問者。それは「僕」が子供の頃共に遊んだ森の精だった。その姿はすっかりみすぼらしく変わり果てながらも「僕」の心の中に大切な思い出として残っていた。かつて遊んだロシアの地は無残に荒らされ自然は崩壊しいった様を語る森の精──これは一種のファンタジーでありながらも、革命によって混乱し、荒れ果てたロシアの地を案じると共に、亡命せざるを得なかったナボコフの心情を表現した作品なのではないかと、個人的に深読みしてしまった。

 他にも ロシアに届かなかった手紙 と題した作品も同系列なのかと。
 まず冒頭からして引きこまれた。
──美しい、いとしい、遠くはなれたひとよ──
 ロシアにとどまっている女性に宛てた書簡という設定なのだけれど、この女性というのがロシアそのものを暗喩し、語りかけているのではないかと。
 革命で故郷を離れざるを得なかったナボコフが、懐かしさ、故郷愛を込めて書いた作品なのではないかと、これもやはり自分的に思ったのだけれど。
 
 幻想性がさらに顕著なのが 雷雨 。そのものズバリ雷神が登場するちょっと微笑ましいストーリー。
 次作 ドラゴン も、想像上の生物ドラゴンを広告塔に見立て、人間の愚かな宣伝合戦を暗に批判したちょっと諷刺的な作品。
 その他、夫の妻に対する誤解から生じた嫉妬によって、妻を殺してしまう 復讐 はなんとも狂気をはらんでいるし、才能ありながらもかなりな変人でもある、ピアニスト兼作曲家バッハマンと、一人の慈愛に満ちた女性との愛情とも友情ともつかない奇妙な絆を描いた バッハマン など、どれもひねりのきいた作品ばかり。

 全68篇。自分は読み切れませんでした……が、作品集を読んでみて思ったのが、亡命作家ナボコフが故郷であるロシアをいかに気にかけているか、愛しているかということ。作品におのずとそれらの感情が滲み出ていてとても複雑な気持ちになったのも確か。
 そしてこの作品集を完成させるために苦労した息子・ドミトリィ・ナボコフ氏の序の言葉がとても印象的。
 重厚で万華鏡のように様々な面を見せてくれる作品群。いつか必ず再度挑戦をしてみたい。

 今日(2月26日)知ったのだけど、ドミトリィ・ナボコフ氏、22日にお亡くなりになっていたそうです。ご冥福をお祈りいたします。


blogram投票ボタンにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ人気ブログランキングへ
☆いつも応援ありがとうございます☆
関連記事
Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : ナボコフ
* Comment : (0) * Trackback : (0) |
コメント







管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。