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個別記事の管理2012-04-18 (Wed)

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功利主義者の読書術 (新潮文庫)功利主義者の読書術 (新潮文庫)
(2012/03/28)
佐藤 優

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 以前読んだ「野蛮人の図書室」で知った書籍。著者は同じ佐藤優氏。すぐに読めるかな? と思いきや予想外に時間がかかってしまいました。それほど読み応えがあった著作でした。以下文庫裏表紙より内容。

功利主義的読書とは何か? 
それは本の大海から、本当に使える叡智を抽出する技術だ。聖書、資本論、名作古典小説からタレント告白本まで、具体的効用の薄いとされるジャンルの書物をあえて選択。紙背に隠れたメッセージを読みとり、過酷な現実を戦い抜く方法を鮮やかに提示する。
世界の非情さと教養の豊穣、いずれをも知りぬく当代随一の論客による、挑発と知的興奮に満ちた読書指南。


 まず、「功利主義者の読書術」とは一体どういうことなのか? というと──
 現実には目に見えない真理=神として捉え、神が人間に何を呼びかけているかを知るための技法なのだということで。
 うーん、イマイチ具体的によくわからないのだけど、上の内容にもあるとおり、「本の大海から、本当に使える叡智を抽出する技術」=読み方って解釈したほうがよいのかな?
 聖書から資本論、タレント本、小説とさまざまなジャンルの本を取り上げているのだけど、中でも個人的に納得&面白かったものをいくつか。

資本主義の本質とは何か
「夢を与える」綿矢りさ
 この小説が資本主義の本質を問う章にカテゴライズされていることにそもそもビックリ。普通の小説だと思うのだけど(未読だ!)、著者の論述を読んでいるとなるほどそうなのか!って頷ける。モデルとなったヒロイン=「商品」として捉え、その背後に新自由主義的思想が見え隠れしているという見解に瞠目。

論戦に勝つテクニック
「負け犬の遠吠え」酒井順子
 実はこの著作を読んでついつい借りてしまいました、「負け犬の遠吠え」。自分的には普通のエッセイだと思っていたのだけど、なんと著者は喧嘩の指南書として捉えているところが凄すぎる…物凄い着眼点だなと驚き。アリストテレス論理学と関連付けて読み解くとはまさに目からウロコ。

大不況時代を生き抜く智慧
「蟹工船・党生活者」小林多喜二
 この作品にも面白い着眼的で挑んでます。「蟹工船」は自分も読んで、当時の労働者達の悲惨な状態に「うーん、そうだったのか」と感慨深く、てっきりリアリズム小説だと思っていたのです。が、しかし! なんと作者の小林多喜二は実はエリート銀行員マンで労働者の生活現場を皮膚感覚で知らないとのこと。なのでこの小説は作者が伝聞と活字によって仕入れた「仮想現実」である──という見解にもまたも驚きでした。

「沖縄問題」の本質を知るための参考書
「テンペスト」池上永一
 これはもう納得ですね。この小説読めば近現代の沖縄史が比較的よく理解できたし。
「テンペスト」はエンターテインメント小説の体裁をとった政治と外交の実用書なのである。
 ラストの著者のこの一文に思わず納得でした。

 小説ばかり並べてしまったけれど、まだまだ他にもたくさんのジャンルの本があります。著者はどの著作もみなものすごく読み込んでいてその知識の深さに驚きの連続。そしてただ本を読んで評を書いているというのではなく、必ず独自の読み方をし解釈をされていることがとても参考になったかなと。深く作品を読んでその本意を知り、独自の見解と解釈に発展させてゆく──という読み方の勉強になりましたね、個人的に。


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