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個別記事の管理2012-06-01 (Fri)

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真夏の死―自選短編集 (新潮文庫)真夏の死―自選短編集 (新潮文庫)
(1970/07)
三島 由紀夫

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 自分が読んだのはこの書影ではないのですが……。新しい版だね、きっと。
 ブロ友サンの紹介で知った本。ひさびさの三島由紀夫だったので読んでみました。以下BOOKデータベースより内容。

著者自選による第二短編集。
伊豆今井浜で実際に起った水死事故を下敷きに、苛酷な宿命とそれを克服した後にやってくる虚しさの意味を作品化した『真夏の死』をはじめ、文壇へのデビュー作ともいうべき『煙草』、レスビアニズム小説の先駆的な作品『春子』、戦後の少年少女の風俗に取材した作品等、短編小説の方法論と技術的実験に充ちた11編を、著者自身の解説を付して収める。

煙草
春子
サーカス

離宮の松
クロスワード・パズル
真夏の死
花火
貴顕
葡萄パン
雨の中の噴水

 初期短篇集といった印象。一番最初の「煙草」は川端康成に評価され、実質のデビューとなった作品とのこと。デビュー作なのになぜにこんなに巧いのだろうかと……それもこれも非凡の才能のなせる技なのね。印象に残った作品をいくつか。

煙草
 作者の学生時代の体験を基にしているのかなと。
 多分に作者を投影していると思われる虚弱な主人公が、上級生の男子生徒に惹かれてゆく。思春期特有の同性への思慕を切り取り、そのあやうい関係を象徴するのが「煙草」。少年から大人へと憧れながらもなりきれないジレンマが巧く描写されてるなと。
春子
 グリルパルツァー「サフォー」のエピグラフにあるように隠れたテーマはレズビアン。
 2人の美女の間で翻弄される少年の葛藤と愛情。3人の、特に揺れる少年と年上の女性・春子の心理描写が巧すぎる。
サーカス
 異国情緒たっぷりの作風。純真な少年少女の愛とそれを食い物にする大人の醜悪さとの対比が読ませる。
真夏の死
 実際にあった事件を元にした中編。
 避暑地の海岸で義理の妹と2人の子供を一挙に亡くしてしまった女性の葛藤と再生。
 突然に訪れた最愛の人の「死」にとりみだすことも狂気に陥ることもなく、次第に記憶から遠ざかってゆくことに対する後ろめたさ。
 ヒロインのまるで絡みつくような苦悩と複雑な心理描写が巧みで舌を巻く。発表当時作者はおそらく30歳前という若さ。三島由紀夫のウリは女性心理描写の巧みさといっても過言ではないような気がする。
葡萄パン
 一種の風俗小説。当時の若者のスラングをふんだんに取り入れた一種の退廃的な作品。
 少しだけサリンジャーを連想。特にライ麦畑。
雨の中の噴水
 少女に別れを言うためだけに付き合っていたという少年の屈折した心理。結局は少年の堂々巡りとなってしまうのだけれど、なぜか微笑ましい少年と少女のやりとり。目指したのはリラダンの「ヴィルジニーとポール」なのだとか。なるほど!

 どれも読みごたえアリの短篇集。そこはかとない耽美な雰囲気を醸し出しつつ、キャラクターの心理描写は深く鋭い。
 最後の作者による自作の解説も貴重です。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 三島由紀夫
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

* by 瀬川レナ
読まれたのですね!(●´∀`)ノ+゜* とても嬉しいです!!

もう私は「煙草」でやられました。耽美で、心理描写もうまくて。
久しぶりに読み返したくなって来ました(>_<)

Re: 瀬川レナ様☆ * by 惺
こんばんは!
読みましたよー! 読みたくてウズウズしてました(笑)
やっぱ巧いですよねー。どの作品も心理描写がスゴすぎて…!
「煙草」は自分も好きな作品です。自分がモデルなのかなってついつい深読み。
女性の心理が深くて鋭すぎるなあっていつも思います。
ご紹介ありがとうございます。当たり!な1冊でした☆

コメント







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