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個別記事の管理2012-06-12 (Tue)

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キッドナップ・ツアー (新潮文庫)キッドナップ・ツアー (新潮文庫)
(2003/06)
角田 光代

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 初・角田光代。有名作家サンでありながら自分的になぜか食指があまり動かず。なぜだろう? そういえばいわゆるノーマルな作風の女流作家(言い回しが古い?)作品って読んでないなあ……児童文学とか幻想文学とかミステリーとかはあるけれど。はて? まあ、いいや。一体どのような作品なのだろうと興味津々で読了。以下BOOKデータベースより内容。

私を見下ろすお父さんの背後には、車輪のぴかぴか光るいろんなタイプの自転車があった。きっとこの人は、私がいなかったら、なんの罪悪感もなく鍵のかかっていない自転車を拝借しちゃうんだろうな、と私は思った。本当のことを言うと、私はそう思うことがうれしかった。
甲斐性ない。だらしない。お金ない。3N(ナイ)父親と、ハルとの、ひと夏のユウカイ旅行。

 YAか、もしくは児童文学にカテゴライズされるのかな? あ、見返しを見たら児童文学賞を受賞しているのですね。だから児童文学になるのか。なのでとっても読みやすかった。
 簡単に言うと、ひと夏の父とムスメの物語。
 なのだけど、ひとくせもふたくせもあるストーリーというか、キャラ設定でした。

 小学五年のハルが突然、何年も逢っていなかった実の父親にユウカイされてしまう…という冒頭から惹きこまれた!
 離婚した母親との間で何か取引をしているみたいなのだけれど、詳しいことはわからず。着の身着のままで二人だけの逃避行が始まる──という、一緒のロードノベル。
 所持金も少なく、旅の計画性も皆無。いきあたりばったりの逃避行な上に、父親自身、すべてにおいて段取りが悪いダメダメパパ。
 わけがわからず連れて行かれるハル。このハルがとっても淡々としたキャラで逞しい。ただでさえクールなのにヘタレ父親と一緒に過ごしたおかげで、さらにタフでワイルドな性格へと変貌してゆく。

 旅の途中で出逢うさまざまな人々。父親の友人であったり、海で知り合った気さくなちずちゃん、かつては宿坊だったお寺のおばちゃん等々、いろいろな人と知り合うことによってハルの世界が広がってゆく。所持金が尽き果てて野宿をしたり、夜の海にぷかぷかと浮かんだり、おんぼろ自転車に何時間も乗らされたりと、いろいろと振り回されていくうちに、最初は嫌悪感を抱いていた父親に対して確実にじんわりと親近感を抱いてゆく。
 それはきっと「絆」というものであると思うのだけれど、あくまでドライにさらりと二人の関係が描かれていてとても意味爽やか。こういう親子関係もアリなのかと思ったりもする。

 読んでいて思い出したのが、「ペーパームーン」という映画。
 これもしっかり者のムスメとダメダメ父親(多分)とのロードムービーだったけれど、ドライな二人の関係性がとても素敵だったし、この作品のテイストも似ているなと。
 最初は毛嫌いしていた父親だったけれど、ひと夏を過ごすうちにやはり肉親の情を感じてしまう。ラストはお約束どおり、二人は別れてしまうのだけれどサラッとしていたから余計に余韻が残った。
 母親と父親との取引って一体なんだったのかな?とか疑問も残るし、ハルの一人称で展開する話なので、父親の心情がイマイチ伝わらなかったのも残念なところ。

 ひと夏の少女の成長譚なのだけれど、ちょっと異色なさっぱりとした読後感。角田光代サン、児童文学も書くんだ! とちょっと驚きでした。タイトルがすごーくいいよね!


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Theme : YA(ヤング・アダルト) * Genre : 本・雑誌 * Category : 角田光代
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