06≪ 2017/07 ≫08
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
個別記事の管理-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
* Category : スポンサー広告
|
個別記事の管理2012-06-21 (Thu)

ご訪問ありがとうございます☆

太宰治文学館 (4) (太宰治文学館 4)太宰治文学館 (4) (太宰治文学館 4)
(2002/03)
太宰 治

商品詳細を見る


 先日、このブログにご訪問くださったあき様からのおススメで読みました。久しぶりの太宰作品。大変面白かったです。以下MARCデータベースより内容。

すぐれた物語作家として数多くの作品を残した太宰治の諸作の中から、誰もが親しんで読むことができ、太宰文学の魅力を存分に味わえるものをえらんで全5巻にまとめる。大きめの活字とルビで読みやすく編集。

 ということで。自分が図書館で借りたこの日本図書センター刊のこの書籍、字も大きくてものすごく読みやすかった。
 「太宰治文学館」と称されたシリーズの第4巻目らしいのだけれど、なかなかおススメなシリーズです。
 で、この4巻目はすべて女性視点で書かれた作品ばかりを集めたとのことで。大変ユニークな1冊でした。

女生徒
 女性読者が送ってきた日記を基に書かれたそうで。
 設定年齢14歳の少女の目覚めから就寝までの丸々1日の日常と心情を描いた短篇。
 巧いですね~とひたすら感動。思春期特有の少女の微妙な心の揺れが見事に描写されてて、うーん、すごいなあ……のひとこと。父親を亡くし、姉と遠く離れ、母親とふたりっきりで暮らす少女のまだまだ甘えたい子供の部分と、母親を支えてしっかりした大人にならなければ、と自我が芽生え始めた繊細な心の動きがリアルに迫ってきた。
燈籠
 婚期を逃し、とある学生のために万引きをしてしまった女性の悲劇。
 罪を犯してしまった24歳のヒロインがあまりにも純粋すぎて……生き方下手なヒロインが家族とともにささやかな日常の幸せを噛みしめるラストにちょっと救われたかな。
皮膚と心
 晩婚の28歳のヒロイン視点で書かれる1作。
 突如として身体に原因不明の発疹ができてしまってからの彼女の婚前・後の心情描写が鋭い。
 時代のせいもあるのだろうけど、28歳で自分を「おばあちゃん」呼ばわりとは……! ちょっと自虐的な描写についていけないなーと思う部分もあったけれど、結局は夫婦の絆が確認できて良かったね……と一安心。皮膚病と夫婦の微妙な関係を絡ませたテーマは秀逸。
きりぎりす
 これも面白い短篇だった。
 個性的なひとりの女性がうだつの上がらぬ画家もどきと結婚前・後の心情の見事な変化を描いたもの。
 貧しいうちは絆も深かったはずなのに、ふとしたきっかけで夫が成功し、裕福になるにつれて露わになる夫の真の姿。
 欺瞞を見破り、真実は一体何なのかを見極めているヒロインの視点が素晴らしい。
千代女
 あー、コレは現代でもありがちな話だなと共感しながら読んだ。
 幼少時から文才があったひとりの少女。そんな彼女を周囲の大人が見逃しておくわけがなく、なんとかして作家にさせようとする悲喜劇。大人たちの身勝手で過度の期待で次第に押し潰されてゆく少女が哀しい。
おさん
 これはちょっとオトナな1作。
 戦時中、実家に疎開していた隙に旦那が浮気。その事実を知っても素知らぬふりをする妻。
 ギクシャクし始めた夫婦関係を、子供のために存続させようと奮闘する妻の心情描写がやはり秀逸。
 女子は強し! と痛感させられた作品。
饗応夫人
 これもなかなか考えさせられた作品だった。
 語り手はとある奥さまに仕える女中のウメちゃん。←このネーミングセンスがね、もうもう好き!
 その奥さまは一種の強迫神経症なのだね、現代で言うと。夫は戦争で行方不明。その留守をいいことに、夫の友人であるという男性が奥さまの屋敷に寄生しだすところから悲劇が始まる。
 財産も奥さまの健康も食いつぶされていく様子に歯噛みするウメちゃんの心理にいたく共感。

 などなど、全7篇。大変読み応えある作品でした。
 三島由紀夫にしてもそうなのだけど、文豪って女性心理を書くのが巧いなーと感心。
 特に太宰はちょっと精神的に病みがちな女性を書かせたら天下一品なのでは? と思ってしまいました。いやいやいや、なにはともあれ、大変面白かったです。


blogram投票ボタンにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ人気ブログランキングへ
☆いつも応援ありがとうございます☆ 
関連記事
Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 太宰治
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

こんにちは♪ * by あき
「女生徒」読まれたんですね^^
太宰はホント、女語りが上手すぎてちょっと引くくらいですね(笑)
「女生徒」は結びの文が好きです。「もうお目にかかりません」みたいな。

「女生徒」や「きりぎりす」は以前、BSで短編映像化されてたのですよ☆
それもなかなか面白かったです♪

太宰作品は、戦前・戦中・戦後の作風ががらっと変わるのも面白いところです。

「お嬢さん」読了しました◎
ほんとに文豪は女語りが上手いですね~
あのマッチョがね~・・・と思いながら面白く読みました(笑)

Re: あき様☆ * by 惺
こんばんは!
さっそく読ませていただきました!
面白かったですよ~。
自分が借りたのは全作女子語りばかりだったので、
よけい楽しく読めました!

いまさらながら太宰治のエンタメぶりはため息モノ。
根強いファンがいるのも納得ですね。
自分的に好きな短篇は「駈込み訴え」なのです。
まさかイエス・キリストとユダをテーマにした作品があるなんて…!
とものすごく衝撃的でした。

> あのマッチョがね~・・・と思いながら面白く読みました(笑)

わはは!
ホントですよね~。
でも彼の場合はある意味女性的な一面もあるのかな~なんて。
「仮面の告白」読んでなんとなーく思ったりして(笑)

ホント「女生徒」ご紹介いただきましてありがとうございました!

コメント







管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。