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個別記事の管理2012-06-30 (Sat)

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伝奇集 (岩波文庫)伝奇集 (岩波文庫)
(1993/11/16)
J.L. ボルヘス

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 未だかつてない難解さ。何度挫折しかけたか。前作「汚辱の世界史」はすんなりと読めたのですが……以下BOOKデータベースより内容。

夢と現実のあわいに浮び上る「迷宮」としての世界を描いて、二十世紀文学の最先端に位置するボルヘス(一八九九‐一九八六)。
本書は、東西古今の伝説、神話、哲学を題材として精緻に織りなされた彼の処女短篇集。「バベルの図書館」「円環の廃墟」などの代表作を含む。


八岐の園
プロローグ
トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス
アル・ムターシムを求めて
『ドン・キホーテ』の著者、ピエール・メナール
円環の廃墟
バビロニアのくじ
ハーバード・クエインの作品の検討
バベルの図書館
八岐の園

工匠集
記憶の人、フネス
刀の形
裏切り者と英雄のテーマ
死とコンパス
隠れた奇跡
ユダについての三つの解釈
結末
フェニックス宗
南部


 なんでしょうか? この難しさ!
 もうもう、前半部の八岐の園はまったくよくわからなかった。内容を味わう以前に書いてある意味がまったくわからず。訳に難あり? と思ったりもしましたが、いやいや、ほとんど自分の読解力の無さのせいだと。
 全滅の前半部にひきかえ、後半部の工匠集はなんとか楽しく読めた。復讐譚あり、ミステリーテイストあり、となかなかバラエティに富んでました。「汚辱の世界史」の中にもあった「薔薇色の街角の男」とよく似た西部劇テイストの話もあったりして。中でも印象に残った作品をいくつか。

刀の形
 アイルランド独立のため内戦が続く国内で出逢った2人の男。危機に瀕した語り手ヴィンセント・ムーンを匿い助けてくれたひとりの男。その彼を裏切り敵方に密告したムーンの告白が切なくやるせない。ラストでのちょっとしたどんでん返しが鮮やか。
裏切り者と英雄のテーマ
 祖国の英雄でありながら実は裏切り者であるというキルパトリック。その彼の死刑を巡る奇妙な画策。それは劇中で密かに暗殺するというもの。奇抜なアイデアが白眉。
死とコンパス
 若干ミステリーテイスト&復讐譚。とある犯罪人が殺された弟の復讐のために刑事(もしくは探偵?)を執拗に追い詰め、復讐を果たす。
ユダについての三つの解釈
 これもなかなか難解で……ただ、神が人間に身を落とした姿がキリストであるならば、神の弟子であるユダが身を落として密告者になった──という件はちょっと納得。
結末
 弟を殺された黒人の復讐譚。静かに穏やかに淡々と進むストーリー。視点を変えると、とある一人の男の夢物語とも思える不思議な一作。
南部
 まるで「結末」とリンクしているような作品だなと。西部劇テイストの男同士の決闘譚。対峙する男の静謐な中にもスリリングなムードが秀逸。

 等々、ホントてこずった1冊でした。できるなら、新訳で読んでみたいという……。難しすぎて訳も内容も……(泣)
 しかし、重厚且つ幻想的、そしてこの作家特有の決闘譚。自分的にかなり印象的な作品でした。あーでもでも、読むのにこんなに疲れた本は初めてかも……。


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