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個別記事の管理2012-07-12 (Thu)

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大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章 (新潮文庫)大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章 (新潮文庫)
(1980/08)
J.D. サリンジャー

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以前読了したナインストーリーズにリンクした作品。
 サリンジャーはいうまでもなく「ライ麦畑でつかまえて」がメジャーだけれど、個人的には「ナインストーリーズ」や今作のモチーフとなっているグラース家にまつわる作品(グラースサーガ)が好み。以下BOOKデータベースより内容。

画一化された価値観を強いる現代アメリカ社会にあって、繊細な感受性と鋭敏な洞察力をもって個性的に生きようとするグラース家の七人兄妹たち。彼らの精神的支柱である長兄シーモアは、卑俗な現実を嫌悪し、そこから飛翔しようと苦悶する―。
ついに本人不在のまま終った彼の結婚式の経緯と、その後の自殺の真因を、弟バディが愛と崇拝をこめて必死に探ってゆく…。


 まず、グラース家については コチラ で。
 「ナインストーリーズ」の中の「バナナフィッシュにうってつけの日」という短篇でこのグラース家の長男シーモアはいきなり自殺してしまうのだけれど、今作はその彼にまつわるすぐ下の弟バディの語りがメイン。
 グラース家にとって長男のシーモアという存在はかなり影響があったらしく、特にバディにとっては尊敬と敬愛の情がかなり濃かったようで。その兄を偲ぶように、彼の結婚にまつわる騒動を回想してゆく。

 なぜシーモアは結婚式をすっぽかしたのか?
 兄の結婚式に参加しながらも、すっぽかしの憂き目にあってしまったバディ。
 当事者の弟というかなりヤバい身分を隠しながらも、やむにやまれず花嫁の親族と行動を共にすることとなったバディの心理の動き、シーモアへの複雑な感情などが、当時(1940年代)の情景とともにくどいくらいに詳細に語られる。
 芸能活動をしていた幼少時のエピソード、恋人とその母親との微妙な関係、周囲のシーモアに対する悪感情を直に聞かされながらも、バディのシーモアへの敬愛の情は揺るがない。さらに、兄弟と同居していた妹ブーブーがさりげなくバスルームに石鹸で書き残した、シーモアへ捧げる祝福の言葉。本書のタイトルの由来となったその詩の一篇がとても印象的でグラース兄妹の絆の深さに心打たれる。
 
 精神的に不安定だったと思われるシーモアが、結婚式を挙げずに花嫁と駆け落ちするという結果オーライのラストに、そしてバディの兄に対するささやかな祝福の気持ちに、少しほっとしながらも、シーモアの今後が分かってしまっているだけに、逆に切なさも感じてしまった。

 次作「シーモア─序章─」はやはり語り手はバディ。
 シーモアに対する盲目的な愛情と信頼を描いた作品ともいうべきなのかな?
 兄はなぜ自殺してしまったのか? 永遠に失われてしまったその答えをなんとかして得ようとシーモアという人間を深く詳細に考察。
 冒頭はただひたすらクールに理性的に兄について分析しているのだけれど、中盤から、特にシーモアの自分に宛てた手紙を披露した時点から様相は一変。抑えていた兄への思慕の情が溢れんばかりに、彼の記憶を必死にたどり、無邪気な弟の一面を見せながらシーモアへの愛情を綴っている。彼の早すぎた死に、死後何年も経つというのに心のどこかで彼を追い求めている弟の姿が哀しい。

 ミステリアスな長男シーモアをはじめとして、理性的なバディ、一番幸福そうな長女ブーブー、双子のウォルト(こちらは日本で戦死)とウェーカー、美男美女でともに俳優のゾーイーとフラニーのグラース兄妹。作品を読むたびごとにこの兄妹たちのストーリーに惹かれてしまう。
 次読むとしたら「フラニーとゾーイー」かな。この2人の兄妹もなかなか魅力的。でも自分的には海軍少尉で後に一児の母となる、心優しい長女ブーブーがお気に入り。彼女のストーリーがあったら読んでみたかったなあ。


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