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個別記事の管理2012-07-27 (Fri)

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楽園のカンヴァス楽園のカンヴァス
(2012/01/20)
原田 マハ

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 話題の作品。たまたま友人が貸してあげるよーと言ってくれたので即借り(笑) 以下BOOKデータベースより内容。

ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。MoMAが所蔵する、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作『夢』。
その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間―。ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる。


 自分はあまり話題作とか気にしない方で。
 この作品もきっと友人が貸してあげるよ~といってくれなければ、もしかしたら読まなかったかも。
 しかし、予想外の面白さで一気読みしてしまった。
 ミステリーだけれどバリバリのミステリーというわけではないような。根底には美術を愛する人々の想いが流れているような気がして、美術愛好家、特にアンリ・ルソーを愛する人々のための作品という印象が強かった。なので、自分も含めてなのだけれど、美術&ルソーに関してあまり興味ない…という読者にとってはちょっとついていけない部分もあるのかなあと。しかし、作品としては充分に面白いことは確か。←ココ強調。

 まず、作者の優しくわかりやすい、流れるような文体がとても好感が持てるし、個性なのだと思う。小難しい描写なウンチクなどはまったくなくて、自分のように作品テーマにド素人であってもすんなり世界に入っていけるのがとてもありがたい。
 今回も聞きなれないキュレーターという世界を舞台にしていても、その分野で働く方々の仕事や役割などもよく理解できたしね。もともとキュレーターだったという作者サン(そんな話を聞いたけど…違ってたらスミマセン)だけあって内情なども詳細でリアリティあるし。ウソ臭さをまったく感じさせないのが素晴らしかった。

 ルソーが描いた「夢」と「夢をみた」という2つの絵画をめぐる真贋にまつわるミステリー。
 特に「夢をみた」の方に隠されたとされるもう一つの作品。中盤にこの仕掛けが判明してからは俄然面白くなったし。真贋判定にひとつの古書を絡ませてゆくあたりに、さらにこの作品の深みを与えていて面白さ倍増だったような。この古書に書かれた「夢をみた」誕生のストーリーにもかなり泣かせてもらいました。特にピカソ! なんていいヤツなんだ! と感動しきり。

 で、ジャケ画が今作のズバリテーマとなっている、ルソーの「夢」。
 読了前に見たら特になんの印象もなかったのだけど、読了後にあらためて見てみると…やはり感慨深くなるのは仕方ないよね!
 この作者サンの他の作品「翼をください」を読んだ時にも思ったけれど、史実に基づいたフィクションを書くのがとっても巧いなと。巧く真実に虚構を融合させて素晴らしい作品世界を創造させる手腕にひたすら脱帽。
 わかりやすいうえに見事なフィクション。こういった作品をもっと読んでみたい!と思わせる作者サン。次作も密かに楽しみです。


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