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個別記事の管理2012-09-25 (Tue)
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 ツイッターのフォロワーさんから教えていただいた作品。ひさびさの三島作品。しかもかなり濃いという噂で。以下文庫裏表紙より内容。

一生を女性に裏切られてきた老作家檜俊輔は、美青年南悠一が女を愛することのできない同性愛者であることを知り、この青年の美貌と肉体美を利用して、恨み深い現実への復讐を企てる。
俊輔の計画は、かつて自分を苦しめた女たちを破局に追いつめることに成功するが……。
男色を素材にして、心理小説の世界に<ルネッサンス的ヘレニズムの理想>を造形化した異色長編。


 内容を読んでのとおり、テーマは「男色」……なんだか時代がかった表現で。今なら「ゲイ」だよね。
 読了後の感想はこれぞ三島由紀夫の真骨頂なのだなと(笑)

 過去三度も女性に裏切られ、彼女たちに屈折した思いと憎悪を抱く作家の檜俊輔。彼は自分の容貌にひどくコンプレックスを抱いており、ある日出会った美青年悠一に無性に惹かれてしまう。その彼の個人的性癖である同性愛嗜好を知ってしまった俊輔はとんでもなく悪辣な策謀をめぐらせる。
 それは悠一を利用して、自分を不幸にしてきた三人の女性達に復讐するということ。報酬額につられた悠一は俊輔の悪だくみの片棒を担ぐことを承諾する──というのが今作の骨子。

 まあ、なんといっても主人公悠一の美青年っぷりが凄いです。老若男女、一目見ただけで誰もが悠一に惚れてしまうというその美貌。また三島由紀夫の描写も凄く巧みで思わずため息。その彼が俊輔のいいなりとなって女性達に不幸をもたらしてゆく小悪魔ぶりがなかなか魅力的。
 当時(1950年代)としてはかなりセンセーショナルな内容であり小説であったのではないかと。今読んでもあまり古臭さは感じないし、ゲイキャラクター達もなかなか個性的で面白い。
 超絶美の悠一を取り巻く醜悪でシビアな人間模様が濃密に語られているのも読ませるし、当時の風俗小説として読んでも面白い。男色小説(!)であるから登場するのは男性ばかりなのかというと、実はそうではない。
 貞淑で利発な若妻に姑、金持ちのご婦人とさまざまな女性たちが彩を添えているし、その心理の書き分けは見事でとても魅力的。
 作者自身も気に入っているという鏑木男爵夫人などは、夫と悠一の不倫(?)を目撃しながらもその関係を理解してしまう……という愛すべき人物で自分も結構気に入ったキャラだった。

 当時のゲイ風俗が詳細に書かれているけれど微塵も醜悪さは感じさせない。さらに屈折した小説家俊輔の復讐譚としてもスリリングに読むことができるし、複雑な女性心理も丁寧に書かれている。中でも悠一と彼のさまざまな恋人達の刹那的な関係はなかなか惹かれる部分でもあるし。
 ラスト俊輔の屈折した復讐は悠一をもってして達成することができるのか。そして図らずも自ら悠一を愛してしまった俊輔はどうなってしまうのか。
 などなどエンタメ性も抜群だし、もちろん純文としての重厚さも兼ね備えている作品。
かなりボリュームあったのでほとんど1日がかりでした。ラストは意外なハッピーエンドで自分的にはちょっと拍子抜けかな。
 しかし、これぞ三島! 的な作品。文学史的に彼の印象を決定付けたのは「仮面の告白」とこの作品なのだろうな…と読了後についしみじみ思ってしまったのでした。さすがセンセーショナルな作家さん。作品もかなり刺激的でした!


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