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個別記事の管理2012-10-02 (Tue)
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白兎1 透明な旅路と (白兎 1)白兎1 透明な旅路と (白兎 1)
(2012/09/27)
あさの あつこ

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 未読作品の新刊ということで購入。新装版だったのですね。以下BOOKデータベースより内容。

一時の絶望に駆られ、行きずりの女を絞殺した吉行明敬。殺人現場から離れようと自動車で山道を走る途中、彼は古臭いおかっぱ頭の幼女を連れた、白兎と名乗る不思議な少年に出会う。
「お家に帰る」という幼女と、付き添いだという少年。やむをえず2人を車に乗せ山間の温泉宿にたどり着くが、吉行は白兎たちの不可思議な言動に混乱していく。


 どうしてなんだろう。この作者サンの小説はなぜか冒頭から惹きこまれてしまって一気読みしてしまう作品が多い。この作品もそうでした。
 個人的にあさのあつこの文章がとても好きで。短いセンテンスでありながら印象的なフレーズが多く、加えて登場人物の心情も巧みに表現されていてホント巧いと思います。テンポが良いというか。くどくないというか。よってこの作品もしみじみと楽しませていただきました。

 まず何より主人公である謎の少年白兎が秀逸なキャラクター。どこからともなく現れる不思議な少年。その彼と一緒にいる健気な幼女かこ。このふたりと図らずも出会ってしまったのが人生に行き詰まった中年男性吉行。ゆきずりの女性を殺害したばかりの彼は、成り行きでこの謎めいた少年幼女と共に逃避行をすることになる。

 あくまでも白兎とかこは傍観者。警察の目をかいくぐって逃亡を続ける吉行の過去から現在に至る内面・心理描写が巧みに語られると共に、ひとりの中年男性の悲哀と苦悩が炙り出されてゆく。
 自分の暴力による家族との不和・両親との根強い確執。等々、吉行が抱えるさまざまな困難をひとつひとつ噛みしめてゆくうちに、自分はどうすべきなのかと自問自答するまでに至る。その心の変遷が白兎と純真なかことの関わりによって静かに導き出されてゆく。

 白兎は吉行の負の感情を映し出す鏡なのかなと思った。
 時折垣間見せる、白兎の吉行への静かな糾弾ともとれる言動。それによって吉行は自らの過去を振り返り、閉塞した現状を打破するきっかけを掴むこととなるのだ。
 白兎とかこの正体はなんとなーく中盤からわかっちゃうんだけどね。特にどうなるのかなあと心配していた、かこと母親との対面シーンがじんわりしたかな。だが、あのラストは謎だぞ? また最初に戻る…的な終わり方だったよね? あれの意味するところがよくわからなかったのが悔しいゾと。
 あさの作品を読むたびに思うことだけれど、場景描写がハンパなく巧いなあと。田舎の風景とかまるで映像を見ているようだし。プラス、方言の使い方も絶品で。田舎の寂れた雰囲気を醸し出すのに効果抜群だと思った。まさにこれぞ職人芸。恐れ入りました。次シリーズも読みたいなー。


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