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十蘭錬金術 (河出文庫)十蘭錬金術 (河出文庫)
(2012/06/05)
久生 十蘭

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 気になる作家久生十蘭。以前読んだ「十蘭レトリカ」が印象的だったのでまたも挑戦。ジャケ画に惚れました。以下BOOKデータベースより内容。

東西、古今の「事件」に材を採った、十蘭の透徹した「常識人」の眼力が光る傑作群。
酷薄の観察「彼を殺したが…」、亡命ロシア人の暗殺計画「犂氏の友情」、山田風太郎を唸らせた「勝負」、ドキュメント「プランス事件」、実際の犯罪か「悪の花束」、勇敢なる二等航海士「海と人間の戦い」、白瀬矗追悼?「南極記」、S19年によくぞ発表「爆風」、熱いものがこみ上げる「公用方秘録二件」、アジアの挺身「不滅の花」、以上。


彼を殺したが…… / 犂氏の友情 / 勝負 / プランス事件 / 悪の花束 / 海と人間の戦い / 南極記 / 爆風 / 公用方秘録二件 / 不滅の花

 面白かったし、久生十蘭の非凡さ(自分がこんなことを言うのは大変おこがましすぎるのだけど)というか天才ぶりを充分に堪能できる短篇集でした。
 事実・史実を基にし、そこから膨らませたストーリーの妙。素晴らしいです。フランスに滞在経験があるとのことなので、異国情緒溢れる作品から大戦中・自然との過酷な戦い・時代物等々、さまざまなシチュエーションにおける「人間」を捉え描いた秀逸の作品群でした。

彼を殺したが……
 怖いです。人間の嫉妬と憎悪と殺意を数ページで描写している見事さ。まさかまさかの展開に驚愕のイントロでした。
犂氏の友情
 舞台はフランス。とあるテロリストとの奇妙な友情。ユーモアを交えながらのある意味微笑ましい展開から意外なオチに。史実というか歴史を知っていたらラスト予想できたのかな。
勝負
 一番好きで印象深い作品。
 戦争の影が色濃くなる時代。高須と有本のふたりの青年と高須の妻。そして語り手。この4人が織りなす青春群像─というにはあまりにも複雑。
 特に高須と有本との根深い確執と葛藤に焦点を当てた男同志の友情と反駁の物語といっていいかな。
 戦争がなければこのふたりの間にこのような確執はなかっただろうにと思うと切なく虚しい。高須の生命を惜しまぬ潔さが深く余韻に残る。
悪の花束
 フランスが舞台。まるで翻訳ミステリーを読んでいるかのようだった。3つの短篇に共通するのは「変装」。不可解な殺人事件の謎を解いてゆく過程がなかなかスリリグで推理小説の謎解きのようで楽しい。
南極記
 外国人の視点による、日本人の南極到達の偉業を讃えたストーリー。記録小説風でありながら後からじわじわと感動が迫る。語り手の紳士的なバード大佐がとても良い。
不滅の花
 これもフランスが舞台。
 フランス内乱に身を投じた日本人の生涯とその墓を探し求める男のストーリー。内乱の悲惨さ、心ならずも異国に骨を埋めることとなったひとりの日本人への哀愁が胸に迫った。

 どれも充実の面白さでした。手を変え品を変え描く「人間」の姿。バラエティに富んだストーリーで時にクスッとさせられ、はたまた人間の醜悪さ高潔さを見せつけられる─そんな得難い1冊だと思う。名作。


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