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個別記事の管理2012-10-23 (Tue)
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 (新潮文庫 む 5-5)世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 (新潮文庫 む 5-5)
(2010/04)
村上 春樹

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 一気に読了。今までの村上春樹作品の中で一番感動したかも。未だに余韻冷めやらず。文庫裏表紙より内容。

<私>の意識の核に思考回路を組み込んだ老博士と再会した<私>は、回路の秘密を聞いて愕然とする。私の知らない内に世界は始まり、知らない内に終わろうとしているのだ。
残された時間はわずか。<私>の行く先は永遠の生か、それとも死か?
そして又、[世界の終わり]の街から<僕>は脱出できるのか?
同時進行する二つの物語を結ぶ、意外な結末。


 読了後、理不尽という言葉が真っ先に頭に浮かんだかな。
 「世界の終わり」というのは主人公である「私」の現実生活における生命活動の終わり(死)という意味だったのね。しかも他人(ここでは老博士)によって一方的に施される人生の終焉とかあまりにも理不尽過ぎて、しかも「私」があまりにもあっさりとその人生を受け入れてしまったことに哀しいやら潔いやら、とっても複雑な思いを抱いてしまったのだけど。

 並行して語られる2つのストーリー。
 「ハードボイルド・ワンダーランド」がひたすら死に向かってゆく話だとするならば、もうひとつの「世界の終わり」はある意味真逆の生(心の維持)への執念を描いた話なのではないかと。
 自己とは何か、を問い続けられているような気がして、この作品は自分探しの物語でもあるのかなあと。

 特に印象に残ったのはやっぱりラスト。自分的にきっとハッピーエンドになるだろうと思っていたのだけれど、意外にもアンハッピーエンド的でちょっとショックだった。「世界の終わり」で登場する「僕」と「影」。それはあたかも人間の二面性を象徴しているかのようで。「影」が自己愛であるならば、「僕は」他者へ捧げられる愛なのかなと思ってしまった。ひとりの人格のはずなのにまるでふたりの人格を備えているかのように葛藤する「僕」。自分の心を取り戻すか愛する人の為にその心を犠牲にするのか。「僕」が選択した究極の結論になんとも言えない感慨を抱いてしまった。

Wikipediaによると

完成した作品を妻に見せた所、後半部分は書き直したほうがいいと言われ全て手を入れた。特に最後のシーンは試行錯誤したようで、村上本人も「たまりまで行くのは出来ているのだがその後を何度も変えた」と述べている。(村上春樹全作品4「自作を語る」より)

とあるから別のエンディングも読んでみたかった気もする。

私は私自身以外の何ものかになることはできないのだ。
 「ハードボイルド・ワンダーランド」で一番印象的だった台詞。余命があと数時間と知った「私」が諦念と共にしみじみと語る言葉。そして、今まで気がつかなかった(見えていなかった)あらゆるものに対して新鮮な感動を覚えるというシーンにもじわじわきましたね。

 自分的にSFっぽく読んでしまったのだけど。でちょっと哲学的かなと思ったり。
 相変わらず食事の描写はとても美味しそうだし、音楽や書籍に関するディティールのこだわりは凄いなと。
 村上春樹作品の新たな一面を知った気がします。静かな余韻の残る感動作でした。 
 しかし、自分の駄文でこの感動を表現するのは至難の業!ものすごいジレンマで辛すぎる…泣


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 村上春樹
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

* by まいまい
惺さんのレビューは相変わらず、すごいです。

「私は私自身以外の何ものかになることはできないのだ。」

このセリフ、忘れてしまっている。
これはやっぱり再読かしら・・。
最近の村上さんの作品にイマイチのれなくて
ノーベル賞とか言われると違和感があったのだけれど、このレビューを読んで、村上春樹イイ!と思っていた頃のことを思い出しました。

Re: まいまい様☆ * by 惺
こんばんは!
お褒めの言葉をいただきありがとうございます。
以前に比べるとダメダメだなあ…と思っていたので
そう言っていただけるとホント嬉しいです!

この作品、自分が今まで読んだ村上作品の中ではダントツですね。
特に下巻が。
なかなか掴みづらい作家サンだと思うのですが、
ここにきてやっとこういう作風の作家なんだ!
と慣れてきたカンジがします。
再読良いですね。ぜひぜひ!

コメント







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