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個別記事の管理2012-11-07 (Wed)
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音楽 (新潮文庫 (み-3-17))音楽 (新潮文庫 (み-3-17))
(1970/02)
三島 由紀夫

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 職場の同僚からのおススメでした。まさかまさか同じ職場に似た読書嗜好の人間がいたとは!! 嬉しいやらなんやらで一気に読了。以下文庫裏より内容。

少女期の兄との近親相姦により、美しい「愛」のオルガスムスを味わった麗子は、兄の肉体への憧憬を心に育み、許婚者をも、恋人をも愛することができない。
麗子の強烈な自我は、彼女の不感症を癒すべく懇切な治療を続ける精神分析医の汐見医師をさえ気まぐれに翻弄し、治療は困難をきわめる──。
女性の生の複雑な深淵に迫り、人間心理を鋭く衝いた、悪魔的魅力をたたえた異色作。


 うーん、内容を読むとかなり刺激的で衝撃的なものなのですが。まさにその通りでした。
 ひとりの美貌の女性・麗子が幼少時に兄から受けた性的虐待。成長した後も癒されることなくトラウマとなって麗子の精神を苛み続ける。
 精神的負担に耐えられなくなった彼女が救いを求めた先が精神分析医の汐見。麗子と汐見、この二人が繰り広げる、麗子の回復までの治療の攻防戦とでもいうべきストーリー……というのがおおまかな内容かと。

 面白くて一気読み。特にヒロイン麗子が白眉かと。
 一見すると美貌の令嬢然としているのに、心に巣くう闇は相当に濃くて深い。その暗黒(!)部分が汐見によって次第に露わにされてゆく過程が、とてもスリリング。虚言癖のある麗子の話はどれも信用に値せず、汐見を混乱させるばかり。麗子に翻弄され、その悪魔的な魅力に囚われそうになりながらも、生来の医師たる使命を自らに課して、麗子の言葉の端々からその歪んだ心理・病理を解明してゆく。

 まるでミステリー&サスペンスを読んでいるような面白さ。加えて作者のフロイト心理学の知識を充分に駆使した、本格的精神分析も楽しめる。
 騙し騙され困惑しながらも麗子に惹かれてゆく汐見の姿にもハラハラするし、嘘を見破られてもさらに嘘が発覚する麗子の不気味な狂気、心理状態にも圧倒される。
 一体麗子の本当の「心」はどこにあって何を思うのか。張り巡らされた虚言を打破し、真の心を解き明かす汐見と麗子の緊迫した心理戦が畳み掛けるように展開してまったく飽きずに読了できた。

 あらためて三島由紀夫はすごいなとしみじみ。
 なんといっても女性心理描写の巧みなこと。そして、こんなにも精神分析・心理学に長けていることにも正直驚いた。
 テーマがテーマだけに、麗子の生い立ちがあまりにも不幸で同性としては読むのがキツい部分もあったけれど、ラスト、汐見の怒涛の精神分析には胸のすく思いが。渾身の治療のおかけで、ようやく救われる麗子に安堵している自分はかなり感情移入していたなと。
 ハッピーエンドであるのがなにより。作中ではかなり救われないショッキングな内容が多々あるのだけど、読後感は爽やか。

 過去読んだ「平気でうそをつく人たち」という本を思い出してしまった。
 この本に、この作品とまったくおなじ症例が紹介されていて正直驚き。患者と医師との攻防戦までそっくり同じ。なので余計にこの作品にリアリティを感じてしまったのも確か。
 「音楽」という、小説の内容とまったく関連性がないと思われていたタイトルも、読了後にはなるほどと納得。
 自分が読んだ数少ない三島作品の中でも上位に入る面白さでした。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 三島由紀夫
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

* by レナ
三島は、女性の心理描写は本当にうまいですよね!
これはとても気になりますー(>_<)

Re: レナ様☆ * by 惺
こんばんは!
ホントに巧すぎて。
この作品はかなり際どい表現満載だけれど、
自分的にはかなりポイント高いです。圧倒されました!

コメント







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