08≪ 2017/09 ≫10
123456789101112131415161718192021222324252627282930
個別記事の管理-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
* Category : スポンサー広告
|
個別記事の管理2012-11-17 (Sat)
ご訪問ありがとうございます☆

 

 神田古本まつりでげとしてきた本。SF界ではかなり有名な作品らしく、興味津々で読了しました。以下文庫カバーより内容。

遥かな過去に放棄された人類の植民地、雪と氷に閉ざされた惑星ゲセン。<冬>と呼ばれているこの惑星では、人類の末裔が全銀河に類をみない両性具有の社会を形成していた。
この星と外交関係をひらくべくやってきた人類の同盟エクーメンの使節ゲンリー・アイは、まずカルハイド王国を訪れる。だが、異世界での交渉は遅々として進まない。やがて彼は奇怪な陰謀の渦中へと…。


 泣いた!面白かった!さすがSF界の偉大な賞を取る作品なのだなと。まあ、賞を取った作品が一概に良い作品であるとは言えませんが、自分的には感動の作品でした。

 辺境の星ゲセンに同盟を結ぶべく使節としてやってきたゲンリー。その彼が突如としてゲセンの国家間の陰謀に巻き込まれてしまい、想像を絶する過酷な経験をすることになる。
 その彼を運命的な出会いをするのが、ゲセンの宰相であるエストラーベン。しかし、彼こそが陰謀の中心であり、王に対する謀反を企てたとして追放の憂き目にあってしまう。偶然にも同時期に王宮から離れゆくふたり。そこから紆余曲折、波乱万丈の物語が展開。

 ゲセンはなんと両性具有の星であり、限りなく地球人に近いゲンリーとはまったく違う種族。さらに文化も気候も異なる文化の中で、エトランゼとしてたったひとり奮闘するゲンリーの冒険譚としてもかなり面白い。
 一度は離ればなれとなるゲンリーとエストラーベン。しかし、ふとしたことで捕えられたゲンリーを救出に向かうエストラーベン、そしてその後とある目的の為に再びカルハイド王国を目指すラスト1/3がこの小説の感動のクライマックス!

 広大な氷原を踏破しようとするふたり。それは見事達成するのだけれど、それまでのふたりの心情と関係の変化が素晴らしい。異星人同士が歩み寄り理解し心通わせる。エストラーベンが両性具有であるために、友情とも愛情ともつかない不思議な心の揺れ。
 苦難を共にして確固たる絆を築いたふたりの姿に、じわじわとくる静かな感動に涙腺が崩壊したのは言うまでもない。

 光と闇、右手と左手、陽と陰、男と女─というように、今作はよく二元論という単語が登場するのだけれど、まさにそれが本書のテーマなのかと。
 他者と自己。当初はわかりあえないと思っていても、両者の努力次第で理解しあえる。ラスト、ゲセンはようやくエクーメンと同盟を結ぶのだけれど、これも他者との相互理解の最大の表象なのかなと。

 あー、もう、語りたいことはたくさんあるのだけど、自分の哀しい語彙力では到底ムリだ。
 長くゲセンに滞在したゲンリーが、ようやく故郷の自分の同胞と出逢って激しく違和感を抱いたラストに複雑な想いも。それほど彼はゲセンと同化していたのだなと。さらに、哀愁の宰相・エストラーベンが出色のキャラだったかと。友の為に身を投げ出す高潔なラストに不覚にも涙。
 ジェンダー・相互理解・篤い友情等々、現代でも通用する色褪せないテーマ。それが名作たるゆえんなのかなとしみじみ思った次第。ちなみに「闇の左手」とは「光」とのことで。ゲンリーとエストラーベンが夢見たもの──それが両星の未来の「光」だったのかなと、熱く妄想気味に深読みしてしまったのは言うまでもないですw


blogram投票ボタンにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ人気ブログランキングへ
☆いつも応援ありがとうございます☆ 
関連記事
Theme : SF小説 * Genre : 本・雑誌 * Category : ル=グイン
* Comment : (0) * Trackback : (0) |
コメント







管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。