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個別記事の管理2010-05-10 (Mon)

ご訪問ありがとうございます☆

仮面の告白 (新潮文庫)仮面の告白 (新潮文庫)
(2003/06)
三島 由紀夫

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 初・三島作品です。以前から一度彼の作品を読んでみたかったので、書店に行って「どれでもいいや~」とズバリ、タイトルの響きだけで決めました。
 ものすごくいいカンジですよね? でも、読んで唖然・驚愕! 半自伝的な作者のセクシュアリティ・カミングアウト小説でした……。よもやゲイの嗜好がおありだったとは。
 三島由紀夫というと、自決したなんだかヤバイ感じの人というイメージしかなかったのですが、本作を読了してその印象が一新。なんて繊細な人物なんだ、と。以下ウィキより簡単な概略。

「私」による一人称<告白体>の形式により、「私」の生い立ちから青年期までを描いてゆく自伝的小説である。祖母を中心とした家族との関わり、学習院における同性愛的経験、友人の妹との恋愛と裏切りなどの出来事が、第二次世界大戦期、戦後期の時代背景の中に描かれている。


 己の裡にしっかりと根を張る決定的なセクシュアリティ。本来の自分を否定し隠蔽し、偽りの自分を演じなければならない苦悩が濃密な文体で綴られていて一気に読めます。
「世間一般に良し」とされる異性関係を望む作者の、唯一の希望であった園子との恋愛も、結婚という現実の前に無残に打ち砕かれてしまう。本来のセクシュアリティを偽ることなど、ひいては己を裏切ることなど不可能だと知った作者の痛々しいまでの絶望が、読んでいてとても辛いし痛すぎる。

 少年期に自分とはまったくタイプの違う野性的な同級生に惹かれてゆく描写・心情などはまるで恋する少女のよう。想いを告げることなく、告げられるべくもなく、同性に向けた愛情を諦めざるを得なかった作者の哀しみがずしんとココロ打ちます。

 冒頭の「カラマーゾフの兄弟」からの引用詩も効果的。
 あくまでも客観的に冷静に突き放して自己を語る作者に複雑な思いを抱くと共に、天才と謳われる所以を垣間見たような気がしました。それほど強烈な衝撃と静かな感銘を受ける作品です。
 一読、超おススメします。純文もいいなァ~と思えますよ。


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関連記事
Theme : ブックレビュー * Genre : 小説・文学 * Category : 三島由紀夫
* Comment : (6) * Trackback : (0) |

珍しく、 * by キヨハラ
私も読んだ(はず)の作品のレビューなので、しゃしゃり出てきましたv-355
でもレビューを読んで、そんなお話なんですかって感想です。
惺さんのレビューは巧みなので、ついまた読み返したいと思ってしまいます。
v-82

Re: 珍しく、 * by 惺
> キヨハラ様v-286

カッコつけて書いてますが、一種のBLとして読みました……へへッ。
内容はメタファー多用してますが、かなりきわどくて興奮あ~んど目が釘付け状態。
三島クン、かなりS度も高いと判明して、ビックリ、ドッキリの1冊でした。

また来てくださいね~☆ お待ちしております!




No title * by Friday
面白そう!!
私もこれまで食わず嫌いと言うか,何となく三島作品は抵抗があってあまり読んでこなかったのですが,とっても面白そうですね.
今度本屋で探してみます.

Re: No title * by 惺
> Friday様e-420

すっごく堅苦しいハナシなのかな~と思っていたんですが、まったく逆でした。ちとこっちが赤面しそうなほど率直に自身の思考・体験を描いていて、彼に対するイメージが変わりました。
20代前半時の作品とは思えないほど、文章はもちろん描写も巧くて唸りまくりです。
好みはあるかと思いますが、巨匠の作品なので一度読んでみるのもいいかと。

コメントありがとうございました!

三島作品 * by こはる
そういえば、三島作品一冊も読んだことがありませんでした。

小室直樹氏の「三島由紀夫が復活する」を以前blogに掲載したことがあり読んだ気になってました。

ゴリッゴリに筋肉を鍛える三島さんの奇行や自決前の様子から、繊細な文学がどうも想像できないというか、ミスマッチでして・・・。

百聞は一見にしかずですね。読んでみます。


Re: 三島作品 * by 惺
> こはる様e-423

何でも初恋のお相手がガタイの良い男子だったらしく、三島クンがマッチョになったのも、その彼への憧れともコンプレックスとも言われているそうです。

晩年?の彼はいざ知らず、この作品を描いた20代前半の頃はとっても貧相なおカラダだったらしいです。んでもって作品読んでかなりオトメ入ってるなァとしみじみ思ってしまいました。

意外な発見に目がウロコです。ご一読おススメいたします。

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