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個別記事の管理2010-04-11 (Sun)

ご訪問ありがとうございます☆

江戸忍法帖 山田風太郎忍法帖(8) (講談社文庫)江戸忍法帖 山田風太郎忍法帖(8) (講談社文庫)
(1999/05/14)
山田 風太郎

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 「甲賀忍法帖」に続いてシリーズ2作目となるこの作品。個人的には5本の指に入るくらい好きな作品ですが、読者の間ではかなり好き嫌いが分かれるようです。作者の山田風太郎も「少年小説みたい」という理由であまりお好みではなかったようで。う~ん悲しい。以下文庫見開きよりあらすじ。

 吸盤のような足で屋根裏をつたい歩く無気味な忍者。その逆さ斬りの凶刃が悠太郎めがけて一閃した。瞬間、跳上がった悠太郎は屋根の梁に片ひざをかけ、振り子のようにからだを移動すると相手を唐竹割りに斬り上げた!
 徳川5代将軍綱吉の時代。権勢をふるう老中柳沢吉保は、前将軍家綱の遺児葵悠太郎の出現に驚愕した。彼はただちに、えり抜きの忍者「甲賀七忍」に命じ、悠太郎暗殺を謀った……。
 恐ろしい忍法を駆使する7人の甲賀忍者と一刀流の達人葵悠太郎の対決は?


 時代モノにありがちな、世を忍ぶ将軍のご落胤である主人公と可憐な乙女二人が大活躍するハナシです。
 敵は自らの保身と野望のために躍起になって悠太郎を抹殺しようとする柳沢吉保と雇われた7人の忍者達。対する味方は序盤で早くも殺され、唯一残るはお縫という少女。普段はおっとり型・草食系男子の悠太郎だけれど、お縫の弟、幼い丹吉が敵の忍者に殺されたと知るや、俄然復讐の鬼と化す。その悠太郎とお縫の復讐劇に吉保の養女鮎姫が絡み、切なく美しい三角関係が主軸となって話は展開。

 この小説の成功のカギは何と言っても鮎姫というキャラクターに尽きます。美しく傲慢で我儘で勝気な姫がひょんなことで悠太郎に拉致され、一目ボレしてしまう。悠太郎の正体を知り、養父がその彼を抹殺しようとしている陰謀を知って、愛に目覚めた姫は自分が何をすべきなのか次第に理解するようになる。悠太郎を巡って対立していたお縫と鮎姫。育った環境も性格も正反対の2人だけれど、お互いを知るにつれて憎しみは同情と変わり、最後には友情へと変わる。そして相手の窮地に身体を張って救出に向かう姿が、潔くてカッコいい。今まで女同士の友情を描いた時代モノ作品なんて他にあったかなァ?

 読んでいていつも思うことだけれど、山田風太郎の忍者モノは女性キャラの活かし方がもの凄く巧い。大抵の時代小説において女性はたんなるお飾りや添えモノにすぎないのだけれど、こと山田忍法帖に限っては違う。今作のように主人公を喰ってしまうことが多々あるし。

 物語終盤、お縫と鮎姫の純粋な友情に悠太郎は心打たれ、それが勇猛果敢に敵陣へ乗り込む原動力となる。そして悠太郎への愛を知り、お縫との友情を知った鮎姫は、悠太郎を庇って敵忍者の刃にかかって命を落とす。自己を犠牲とすることによって、養父の恐るべき悪事をも断罪するのだ。
 「江戸忍法帖」。乙女の友情物語と申しても過言ではありません。ゆえに、主人公である悠太郎ちょっとばかり影薄いかも。が、しかし、山田忍法帖としては珍しくハッピーエンドで爽やかです。大トリには「控えおろう~」の、あの水戸黄門サマもご登場。笑いをとる場面か~コレは? と思いつつもきっちりと締めてくれるのでした。
 作者サマ、お見事です。



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Theme : 歴史・時代小説 * Genre : 本・雑誌 * Category : 山田風太郎
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

NoTitle * by -
突然のコメント、失礼いたします。
江戸忍法帖の評価が賛否分かれる中にあっても、鮎姫は、自分もとても魅力的な女性キャラクターだと感じていました。
最初はただ気丈な我儘姫のようでしたが、悠太郎を恋し始めてからの愛らしさ、彼女の変化、また愛ゆえの苦悩が、彼女のキャラクターを輝かせているように思いました。
それだけに、終章近くの彼女の悲壮な決意と、最後に辿った運命が本当に切なく哀れに感じて、胸にもずっと残りました。
しかしそんな鮎姫がいたからこそ、江戸忍法帖という小説が愛されている一面もあるのかな、と思います。
素敵なレビューを拝読させていただき、ありがとうございました。

Re: はじめまして☆ * by 惺
>もったいなくもありがたいお言葉、本当にありがとうございます!
自分の駄レビューにこんなコメントをつけていただけるとは思ってもいなかったので。

鮎姫は本当に良く出来たキャラクターだと思ってます。作中一番成長してますよね。
成長前と成長後の落差が落とし所で、一番感動する部分だと思ってます!
山田忍法帖はこれだから止められません☆

コメント、いつでも大歓迎です。頂いてとっても嬉しいです!
山田忍法帖はお好きですか? ぜひまた語りにお越しください☆
ご訪問ありがとうございましたe-466

個別記事の管理2010-03-22 (Mon)

ご訪問ありがとうございます☆

       100322_1449~01   忍法双頭の鷲 (1980年) (角川文庫)

 Amazonさんに画像がなかったので自分所蔵の文庫とコラボしました。
 山田忍法帖の中でも「伊賀・甲賀忍法帖」や「魔界転生」に比べたらマイナーな作品ですが、男同士の友情をメインに据えたなかなかの名作です。以下、文庫見開きよりあらすじ。

 延宝8年、徳川4代将軍家綱の死去と同時に、後継者をめぐって劇的な政変が起きた。新将軍には、若年寄堀田筑前守が擁立する綱吉が就任、それまで権勢を誇っていた大老酒井雅楽頭は失脚した。
 そして、それに伴い、公儀隠密の要職にあった伊賀組が解任され、替って根来衆が登用されたのである。
 主命を受けた若き2人の根来忍者、秦漣四郎と吹矢城助は、隠密として初仕事に勇躍、江戸を後にした。だが、彼らの行く手には、復讐の怨念に燃える伊賀忍者たちの執拗な妨害が……。


 山田忍法帖お得意の史実を忠実に踏まえた巧みなストーリー展開、忍者同士の技を究めた熾烈な闘いの描写には唸りっぱなし。加えて今作は、主人公2人が隠密として疑惑ある諸藩を裏から表から捜査するという、ある意味ライトな推理モノとしても楽しめます。そして作者様ラブロマンスも忘れちゃいない! 兄弟同様に育ち、忍者の技にかけても双璧の2人が恋焦がれる相手は、首領の娘お螢。いわゆる三角関係ですが、やはりドロドロとは無縁です。
 ラスト甲賀忍者の急襲に遭い窮地に陥った城助を救出する、漣四郎とお螢の頭脳作戦に思わずニヤリ。

 山田忍法帖としては小粒ですが、恋に友情にシビアな死闘にとバラエティ豊かに楽しめます。


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Theme : 歴史・時代小説 * Genre : 本・雑誌 * Category : 山田風太郎
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

こんにちは! * by 本読み人M
面白そうですね!
山田風太郎は王道の「魔界転生」「甲賀忍法帖」などを読んだことがありますが、
この作品は、これらとはちょっと違って爽やかな感じなのでしょうか?

Re: いらっしゃいませ☆ * by 惺
> そうですね~。従来のドロドロ血なまぐさい~という山田作品よりはずっと爽やか系です。イケメン忍者2人の友情が何とも清々しいですヨ。量的にも分厚くなくて読みやすいですし。
自分的には山田作品の中では「甲賀~」が作品なんですけどね。このハナシも趣向を凝らしていて面白かったですよ~。

また来てくださいね☆ お待ちしておりますe-466

個別記事の管理2010-02-05 (Fri)
 ご訪問ありがとうございます☆

 この本は山田忍法帖の中でも、知る人ぞ知る本かなあと。甲賀・伊賀忍法帖みたいに映画化されていないし、いまいちマイナーな作品かもです。
 でも、自分の中では5本の指に入るくらいの名作だと思ってます。「魔界転生」よか、ずっといいぞ!

風来忍法帖―山田風太郎忍法帖〈11〉 (講談社文庫)風来忍法帖―山田風太郎忍法帖〈11〉 (講談社文庫)
(1999/07)
山田 風太郎

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 う~ん、いつも思うことだけど、表紙のセンスが……

100205_0026~01 ←自分が大昔に購入したモノ。角川文庫版です。

 舞台は「のぼうの城」でも有名な落城寸前の忍城。その城主の許に輿入れした麻也姫と、彼女を護るにわか忍者、7人の香具師が、敵方の忍者と繰り広げる攻防戦。凄絶な闘いあり、淡いロマンスあり、もう存分に楽しませてくれます。
 乱世をムチャクチャに生きてきた7人の香具師達が、麻也姫との出逢いによってその生き方考え方を感化されて、最期には彼女のためにひとり、またひとりと命を落としてゆくのがまた哀れ。涙を誘います。

 600ページほどの量ですが、飽きることなくあっという間に読み切ってしまいます。
 山田忍法帖、一作品読むと中毒のように次が読みたくなっちゃうんだよね~。


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Theme : 歴史・時代小説 * Genre : 本・雑誌 * Category : 山田風太郎
* Comment : (0) * Trackback : (0) |
個別記事の管理2010-01-31 (Sun)
 
ご訪問ありがとうございます☆

甲賀忍法帖 (角川文庫)甲賀忍法帖 (角川文庫)
(2002/12)
山田 風太郎

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 なんだかなあ……表紙のセンスがなあ……ま、これじゃあ、読みたいっていう気も失せそうな……ま、いいですが。

 表紙に萎えても内容は充実・感動の嵐! 何といっても記念すべき忍法帖シリーズ第1作目。山田風太郎初心者にとてもおススメな一冊☆ はっきり言ってロミジュリ。忍法帖を纏った悲恋モノです。
 
 かといって、大甘恋愛が比重を占めているわけではありません。
 作者の真骨頂、医学の知識を充分に発揮した、総勢20人の忍者達のリアリティありすぎる技と凄絶なバトルロワイヤル! そしてその果てにあるのは、この小説のヒーロー・ヒロインである、甲賀弦之介と伊賀の朧の静かな、そして哀しい最期。
 
 作者様、ホント巧すぎます。ツボ押さえ過ぎです。初読の時中学生だった自分は、もうボロボロ泣きました。以来、山田風太郎の虜です。
 「バジリスク」というアニメ(原作に忠実だったけど、自分的にはイマイチでした)にもなったし、映画化もされましたよね。
 
 でも、やっぱオリジナルの小説が一番♪ 一度山田風太郎ワールドを覗いてみたいという方は、是非どうぞ。


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Theme : オススメの本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 山田風太郎
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

* by planetarymoon
初心者におススメなんですね!!
初山田風太郎作品、決まりました^^

Re: planetarymoon様☆ * by 惺
こんばんは☆
うわ~! ブログ始めたばかりの、ものすごく恥ずかしい記事…///
読んでいただき、ありがとうございます。

> 初心者におススメなんですね!!
> 初山田風太郎作品、決まりました^^
わあ☆ そう言っていただけると嬉しいです。
山田風太郎版・ロミジュリってトコですね。
楽しんでいただけるといいのですが…。